政治と金問題より根本的な「自民党大敗の真因」 アジア地域で最も安定している政党のピンチ
オックスフォード大学日産日本研究所のクリスティ・ゴベラ准教授は、「今回の選挙で多様な政党が勝利を収めたことは、日本を前進させるための一貫したビジョンが1つではないことを示している」と語る。
自民党がこれほど長い間、国民の不満を乗り切ることができた理由の1つは、日本で最も長く首相を務めた有能な政治家、安倍晋三元首相が党の規律を徹底させ、大々的な変化よりも安定が重要だと国民を説得したからだ。
安倍氏の死後に明らかになった数々の問題
しかし、2022年に安倍氏が暗殺された後、国民はこれまで隠されてきたスキャンダルの発覚によってますます不満を募らせた。安倍氏を殺害した犯人は、元首相が旧統一教会とつながりがあったため、安倍氏を恨んでいたと語った。
数十人の自民党議員も旧統一教会の政治部門に支援されていることが日本のメディアによって迅速に暴露されると、自民党の支持率は急降下した。最近の政治と金のスキャンダルで国民の不満はさらに高まった。
アナリストたちは、27日の選挙結果が国民の気分を改善し、実質的な変化をもたらすかどうかはわからないと語る。
アメリカのコンサルタント会社、ジャパン・フォーサイトの創設者兼代表のトビアス・ハリス氏は、「これで日本国民が民主主義をより幸福に感じるようになるとは思えない」と話す。
自民党が現在連立を組む公明党とともに少数派政権を作るか、あるいは裏交渉で少数派政党を数党連立政権に取り入れることになったとしても、「そこから生まれる政権への愛情はまったく感じられないだろう」とハリス氏は言う。