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東京に「座るにも金が要る街」が増えた本質理由 疲れてもカフェに入れず途方に暮れるあなたへ

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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① 再開発の進展

渋谷の変化でもっとも顕著なのが、現在進行している「100年に1度」といわれる大規模再開発。東急グループが中心となり渋谷駅周辺を整理し、さまざまな商業施設やビルを建設している。「渋谷っていつ行っても工事してる」と思う人も多いだろうが、それはこの再開発ゆえでもある。

渋谷はもともと若い人々の流行の発信地として有名で、「若者の街」だった。そのこともあって、特にIT分野を中心とするベンチャー企業なども集まってくる。それと共に、外国人観光客にとっても魅力的なエリアになってくる。

今回の再開発では、そうした渋谷に集まるオフィスワーカーやインバウンド観光客のために街が再編されている。新しくできたビルのほとんどにはオフィスが入っているし、インバウンド向けのホテルも建設中だ。

そしてオフィスワーカーやインバウンド観光客は、若者よりも相対的にお金を持っている。だから、彼らをターゲットにして街にすると、必然的に街全体の商品やサービスの値段が上がってくる。現にそこに生まれる商業施設などのテナントの多くは、少しお高めだ。

ジェントリフィケーションが「座れない」街を作る?

こうした都市の高級化を、ジェントリフィケーションという。元は、1960年代にイギリスの社会学者であるルース・グラスが提唱した言葉だが、現在では日本に限らず、世界の各都市で問題となっている現象だ。

このジェントリフィケーションの結果、渋谷では「気軽に座れる場所」が減少していると、筆者は考えている。それはなぜか? 

先ほども書いたが、基本的に渋谷に近年誕生しているビルには、ちょっとお高めのテナントが入っていることも多く、少し休もう、と思ってもそう気軽に入れないことも多い。また、そもそも高層階はオフィスやホテルになっていることも多く、「座る」以前に、金を払わなければ外部の人間は立ち入れないところも多いのである。

ちなみにジェントリフィケーションは、「新しい建物を作るときに発生するジェントリフィケーション」「商業施設を作るときのジェントリフィケーション」「観光地化するときのジェントリフィケーション」の3つに分かれるといわれている(黄幸「ジェントリフィケーション研究の変化と地域的拡大」/2017年)。

渋谷の場合は、この3つのすべてに当てはまっている。再開発により新しい建物が建ち、商業施設ができ、観光地化している。まさにジェントリフィケーションの最前線だといえる。

渋谷近辺にはスタバだけで20店舗近くある。が、平日休日問わずどこもいっぱいだ(引用:スターバックス公式サイト)

こうした変化と「座れないこと」は直接に関係するわけではない。しかし、実際に現地でフィールドワークを重ねていると、都市の高級化に伴って、より階層の高いターゲットに向けられた場所が増え、自由に立ち入ることができたり、座ってたむろしたりできる場所が少なくなる現象が、渋谷の各所で発生していることがわかるのだ。

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