「戻ってよかった」"出戻り転職"がうまくいくコツ 50代の「出戻り」が歓迎されたのには理由がある

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例えばあるIT企業のシステムエンジニアは、CIO(最高情報責任者)として招かれて別のスタートアップ企業へ転職。従業員が10人程度の企業だったため、転職によって経営やマーケティングに関しても経験を積んだ。

その後、再び前職のIT企業に戻ったが、転職先での経験から経営視点での助言を求められるようになり、強いやりがいを覚えたという。

第3に、信頼関係の再構築が容易なこと。これも大きなメリットだ。

出戻り転職者にとっては、これが最もわかりやすいメリットといえるだろう。

ベテランであればあるほど、新天地で信頼関係を築くことは骨が折れる。そのため、出戻った職場であれば以前の同僚や上司との関係を基盤に、より強固な信頼関係を築きやすい。過去の実績や人柄を知る人々に囲まれることで、心理的な安心感も得られる。

このようなメリットは、50代以上の転職者にとって大きな意味を持つだろう。残された仕事人生を有意義に過ごすうえで、出戻り転職は魅力的な選択肢となりえるのだ。

もちろん出戻り転職にはデメリットも…

もちろん出戻り転職にもデメリットがあるので、しっかり頭に入れておこう。

(1)期待と現実のギャップ
(2)職場環境の変化への不適応
(3)人間関係の変化

出戻り社員にとって、最も危惧すべきは「期待と現実のギャップ」だろう。

出戻り社員は、以前より成長した自分を示したいと考えるが、企業側は「以前と同じように働いてほしい」もしくは「実力が落ちていないか、しばらくは様子見する」と思っているケースが多い。私が責任者であれば、出戻り社員にはそのように接する。

いくら鳴り物入りで戻ってきたとしても、である。出戻り社員は、このギャップを覚悟しておいたほうがいいだろう。

また、長期間職場から離れていた場合は、変化に適応できないことがある。特にデジタル化が進む現代では、数年で業務環境が劇的に変わることも珍しくない。

「その業務はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が代わりにやってくれるから」

「そんな単純作業はやらなくていい。もっと付加価値の高い仕事をしてください」

と元後輩に指摘されると、居心地が悪くなるかもしれない。転職していた先が最新のITツールを導入していなかったら、環境変化についていけない可能性が余計に高い。

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