バンコクでは規模を追求したメガモールではなく、特定のコンセプトに絞った低層タイプのモールが人気を博しています。たとえばロンドンがテーマの「ロンドンストリート」は、若干安っぽいながらもロンドンの街並みを模してあり、ロンドンバスが飾ってあったり、近衛兵にコスプレしたりすることができます。日本をテーマにした「パセオパーク」では、懐かしめのJ-POPがBGM。丸亀製麺など日本の飲食チェーンが多数出店しています。
以上ふたつは郊外型モールですが、一方、街の中心部にある「ゲートウェイ・エカマイ」には雪をテーマにした「スノータウン」という施設が人気。タイでは雪が降らないので珍しいのです。室内に人工雪が積もっており、北海道をイメージしたゾーンもありました。
日本発で人気を博しているiPhone、iPad用アプリゲーム「ねこあつめ」はタイでも人気。ローカライズされていないので、みな日本語仕様のまま楽しんでいます。日本語が理解できる若者のほうが攻略に有利だという話ですが、課金ユーザーはあまりいません。タイ国内最大の口コミサイトでも攻略法などが紹介されています。
タイのオタク女子には日本のBLが刺さる
「ねこあつめ」が流行っているのを教えてくれたのは、バンコク在住のインさんという18歳の女性です。彼女は絵の専門学校を卒業したばかりで、現在は留学準備中。日本のコミックやアニメが大好きで、好きな作品は『ハイキュー!!』『NARUTO -ナルト-』。ほか、日本のBL(ボーイズラブ)コミックにも手を出しており、自室にはフィギュアなどのグッズもありました。
インさんいわく、「タイの女の子に日本のBLコミックは刺さる」そうですが、自分のオタク趣味は決して口外しないそうです。最近のオタクに対してはネガティブな印象は持たれていないのですが、インさんの場合、純粋に「自分の世界を見られたくない」「恥ずかしい」という意識からだと感じました。ちなみにタイでも日本と同様、昔からのオタクには根強くコミュ障のイメージがあるそうです。
そんな彼女は今、日本のオンラインゲームにはまっています。特に好きなのは『刀剣乱舞-ONLINE-(とうらぶ)』。同作はイケメンキャラクターが多数登場するため、日本のオタク女性にとても人気がありますが、仕様は日本語のみ。日本語は片言しかわからない彼女ですが、頑張ってプレイしています。