数学勉強したくなる!「グラフ」の"間違い探し" 子どもに勉強する意義を伝えるにはどうするか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もう1つ、「この問いに対して、『そう思う』と答えた人の割合が、C国はA国やB国の3〜4倍である」とは言い切れない側面があります。

それは、パーセンテージの掛け算をしているという点です。「%」というのは、「分数で表した数×100」のことを表しています。95%がNOだったというのは、「100人いたら95人がNOと答える」ということを表しているわけです。

今回の調査は、母数がわかっていません。仮に200人に調査したなら190人が、1000人に調査したなら950人がNOと言っているから、95%と表現されていることでしょう。

でもこの場合は、何人に調査したデータなのかはわかりません。「A国には賛成の人が3000人いて、B国には賛成の人が2000人いて、C国には賛成の人が8000人なので、C国には賛成の人がA・B国の3~4倍いると言える」ということであればわかりますが、ここでは具体的な人数は示されていません。

どの属性に聞いたかでも調査内容は変わる

『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(笠間書院)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

また、今回は「A国の人」「B国の人」「C国の人」に調査しているということが明らかになっていますが、A国の人の中にもいろんな人がいるでしょう。若い人もいれば、高齢者もいるでしょう。もしかしたら、「A国には若者に話を聞いたけれど、C国には高齢者に話を聞いている」という可能性もあります。

いかがでしょうか?今回のグラフのように、頭を使って考えていないと、よく考えずに「こうなんじゃないか」と考えてしまいがちです。

しっかりと算数・数学の勉強をして、騙されないように意識してみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事