「寿命を決める臓器=腎臓」機能低下を示す兆候5つ ダメージを受けてもほとんど症状が表れない

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そんな大切な腎臓が体のどこにあるかというと、体の背中側の腰の上部に背骨をはさむように左右にひとつずつ位置しています(下のイラストを見てください)。

(出所:『腎機能を自力で強くする 弱った腎臓のメンテナンス法』より)

※外部配信先ではイラストを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

腎臓1個の重さは約150gで、握りこぶし程度の大きさしかありませんが、そこに、心臓から出た血液のおよそ4分の1が流れ込んでいます。これだけだとピンとこないかもしれませんが、体重の200分の1以下の重さの腎臓に、1分間に約1リットルの血液と聞くと、かなりの負荷がかかっていることがおわかりになると思います。

これだけ大量の血液が流れ込んできている理由は、腎臓が非常に重要な役割を果たしているからです。

「縁の下の力持ち」意外にスゴい腎臓の"底力"

生きていくために必要不可欠な腎臓の働きのひとつが、「ホメオスタシス(生体恒常性)」を保つということです。少し言葉が難しいですが、簡単に言うと、環境に左右されずに体内を一定に保つしくみです。

私たちが生活している環境はつねに一定ではありません。雨が降ったり、暑くなったり、寒くなったり、ジメジメしたり、乾燥したりと、刻々と変わっていきます。

そして、その変化に左右されることなく体の内部がいつも一定に保たれていなくては私たちは生きていくことはできませんよね。たとえば、暑さや寒さなどに影響されて体温が激しく変動したら、体は機能停止状態に陥ってしまいます。このホメオスタシスを維持するうえで、とくに重要な働きをする臓器が腎臓です。

具体的には、がぶがぶと大量に水を飲んだときには尿を増やし、逆に飲めない状況に陥ったときには尿を減らすといった調整を行っているのです。

また血管、細胞、神経、筋肉などの機能の調整に欠かせない、体液に含まれている電解質(ナトリウムイオンやカリウムイオンなど)にも目を光らせて、体にとって不必要なぶんは尿として排泄し、必要なぶんは体に戻しています。こうして、体液はちょうどよい量と濃度になるように調整されているのです。

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