CX-8からCX-80「単なる新型」ではない進化の深さ マツダ独自の「3列シートSUV」が醸す世界観

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次に、舞台を神戸淡路鳴門自動車道に移す。明石海峡大橋を進むと、右手には瀬戸内海が見え、その先にマツダの本拠地である広島の存在を感じた。

明石海峡大橋の近くにて。後部ドアの長さがクルマの成り立ちを物語っている(筆者撮影)
明石海峡大橋の近くにて。後部ドアの長さがクルマの成り立ちを物語っている(筆者撮影)

ここで強く印象に残ったのは、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC) の進化である。具体的には、前車を追従している状態で追い越しをするとき、設定速度まで加速するタイミングが速くなった。

同システムの開発者によれば、安全性を十分に踏まえたうえで、CX-60で得た市場からの声を反映したセッティングを行ったという。

レーンキープ・アシスト・システム(LAS)についても、同様だ。同一車線内での効きが少し強くなったことで、直線はもとよりコーナーが続くシーンでも安心感が増した。

国内専用からグローバルモデルへ

ここで、CX-80の商品性を整理しておこう。CX-80は、日本市場では「CX-8」の後継として登場したモデルだ。

実質的な先代となるCX-8は日本市場に特化して企画された「CX-5」の3列シートモデルで、他社が「アルファード/ヴェルファイア」などの上級ミニバンをラインナップする中で、マツダらしさを主張した独自の発想で作られた。

2023年12月に生産終了となった実質的な先代となる「CX-8」(写真:マツダ)
2023年12月に生産終了となった実質的な先代となる「CX-8」(写真:マツダ)

すると、50代が中心となるだろうという想定をよそに、ヤングファミリー層にも残価設定ローンで広まったという。今回のCX-80では、こうしたトレンドを拡充するとともに、ヨーロッパなど海外での販売も強化する。

海外ニーズに対応するため、牽引(トーイング)に対応するエンジン制御モードや、牽引部分であるヒッチなどについても改良や新規設定を施している。今回の試乗会では、淡路島内の観光スポットで小型モーターボートをトーイングするデモンストレーション(冒頭の写真)も実施していた。

国内市場でCX-80は、400万円台を中心とする「SKYACTIV-D 3.3」、600万円前後の48Vマイルドハイブリッド・ディーゼル「e-SKYACTIV D 3.3」、そして600万~700万円台の「PHEV」と、プレミアム性やスポーツ性の違いを含めた幅広いラインナップで展開する。

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