CX-8からCX-80「単なる新型」ではない進化の深さ マツダ独自の「3列シートSUV」が醸す世界観

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「PHEV L Package」についても、その印象をお伝えしたい。大容量バッテリーを搭載するプラグインハイブリッドであるため、車重は、先のXD-HYBRID Exclusive Modernより120kg重たい。

クルマのキャラクターや乗り味は、XD-HYBRIDと大きな差はないが、PHEVは120kg増加の多くを占めるバッテリーが車体下部にあることで、さらなる低重心を実感する。

PHEVモデルの外部給電機能を使って家電を動かす様子(筆者撮影)
PHEVモデルの外部給電機能を使って家電を動かす様子(筆者撮影)

ワインディング路を走ると、ステアリングを切り出した瞬間はマイルドだが、クルマ全体としての動きには張りがあって、コーナーでの先読みがしやすく大柄ボディがあまり気にならない。

これは、ロードスターなどでも導入されている、キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)によるものだろう。このボディサイズと重量だと、その効果を大きく感じる。

このKPCは、コーナーでブレーキをかけると車体を引き下げるアンチリフト力(りょく)を発生させるもの。横Gが強いコーナリングで、リア内輪に少しだけブレーキをかけることで、クルマ全体の動きを安定させる仕組みだ。

乗る人の人生を「走る歓び」に

海外出張を終えたばかりで今回の試乗会に参加した、マツダ取締役・専務執行役員兼CTO(最高技術責任者)の廣瀬一郎氏は、「CX-80を通じて、マツダが目指す、人中心、あくなき挑戦、そしておもてなしの心を感じてほしい」と開発に込めた想いを伝えた。

CX-80は、マツダにとって2030年代に向けた電動化移行期でのマルチ商品群のひとつ、「ラージ商品群」を象徴するクルマだ。

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グローバルでの電動化の進行は、国や地域での環境政策や電力事情にもよるが、当面は進んでいく。そんな中、マツダが目指すのは、人がクルマを使って楽しい人生を過ごすという意味での「走る歓び」である。

今回、CX-80のオーナーになった気分で神戸と徳島の間を旅したが、単にクルマが高級モデルだというだけではなく、クルマに乗っているとき、そしてクルマを少し離れて海や町に触れたときに、心の豊かさを感じることができた。

【写真】「CX-80」の内外装をディテールまで見てみよう
桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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