中国の「過剰生産と輸出攻勢」に東南アジアも警戒 インドネシア前大統領が自国産業の保護を明言

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インドネシアの有力メディア「Tempo(テンポ)」の報道によれば、インドネシア政府は中国の過剰生産が自国の繊維産業に与える影響を特に懸念している。

全方位外交の伝統を維持するインドネシアの大統領が、中国を名指しで批判するのは異例だ。写真は2024年10月、中国の李強首相と北京で会談するジョコ氏(インドネシア内閣官房のウェブサイトより)

繊維産業はインドネシア経済を支える基幹産業のひとつだ。しかし低価格の輸入繊維製品の大量流入により、地場企業は工場閉鎖や人員削減、輸出減少などの苦況に直面している。

そんな中、インドネシア政府は2024年6月、輸入繊維製品に対して追加関税と反ダンピング関税の適用を決め、国内産業の保護に乗り出した。

中国系ECの拡大を牽制

インドネシアではEC(電子商取引)の分野でも、中国企業の事業拡大を牽制する動きが出ている。インドネシア政府は2023年9月、SNS(交流サイト)上でのEC事業の展開を禁じる新規制を導入。その結果、中国発のショート動画アプリ「TikTok(ティックトック)」はインドネシア向けEC事業の一時中断を余儀なくされた。

中国発の低価格越境ECサイト「Temu(テム)」を運営する拼多多(ピンドゥオドゥオ)も、インドネシア市場への進出を事実上阻止されている。中国の加盟店の工場から海外の消費者に商品を直売するビジネスモデルに対して、インドネシア政府が自国の(卸売業者や小売業者などの)中小零細企業を脅かす可能性があると認識しているためだ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

ジョコ大統領は冒頭のスピーチの中で、自国製品のマーケティングにデジタル時代に対応した革新を促し、次のように叱咤激励した。

「わが国の製品が国内市場で人気を博すだけでなく、国際市場における競争力も持たなければならない。今やデジタルの時代であり、大規模なデジタル化の推進を通じてインドネシア製品を拡販すべきだ」

(財新 駐シンガポール記者:楊敏)
※原文の配信は10月10日

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