KDDIが"デュアル5G戦略"で手にした大きな成果 通信品質で国内首位に立った背景に2つの要因

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OpenSignalは、世界中のモバイルユーザーから収集したデータを基に、通信事業者のネットワーク品質を客観的に評価する組織として知られる。

OpenSignalの2024年10月の評価で、KDDIは「一貫した品質」と「信頼性エクスペリエンス」を含む13部門でNo.1を獲得した。これらの指標は、ユーザーの実際の利用体験に直結する重要な評価項目だ。

「一貫した品質」は、HD動画のストリーミングやグループビデオ通話、オンラインゲームなどの高度なアプリケーションを、遅延や速度低下なく利用できるかを測定する指標だ。この指標は、接続後にアプリをどの程度スムーズに使えるかを示している。

一方、「信頼性エクスペリエンス」は、4Gや5Gを含むすべてのネットワーク技術において、ユーザーが安定して接続し、必要なタスクを完了できる能力を評価する指標だ。この指標は、接続の可否や安定性、ウェブページの閲覧やアプリのダウンロードなど、ユーザーが意図したタスクを問題なく完了できるかどうかも含めて評価している。

この2つはネットワーク品質を表す総合的な指標となっている。KDDIは一貫した品質部門ではソフトバンクを僅差で上回り1位を獲得。信頼性エクスペリエンスではドコモ、ソフトバンクを抜いて首位に立った。

衛星干渉緩和の影響

KDDIの躍進の大きな要因となったのが、衛星干渉の緩和だ。サブ6帯は、従来、衛星通信との干渉を避けるため出力が制限されていた。しかし、2024年3月末に衛星事業者との調整が完了し、制限が大幅に緩和された。

KDDIの前田大輔執行役員は「制限緩和により、サブ6の基地局の出力を最大限に引き上げることが可能になった」と説明する。KDDIによれば、この結果、サブ6のエリアが約2.8倍に拡大したという。

衛星の干渉を考慮する必要がなくなった地域ではサブ6の基地局の性能をフルに発揮できるようになった(筆者撮影)
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