「心理的安全性」の低い職場に巣くう4つの不安 生産性に直結、「弱音を吐ける」環境の重要性

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心理的安全性が低いと、どうして不安が引き起こされるのでしょうか。

エドモンドソン教授は、不安が引き起こされる理由を4つ述べています。

4つの理由

1 無知だと思われる不安

わからないことをだれかに質問したり、相談したりできない。会社の期待に応えられないと、自分の居場所がなくなってしまうという不安がつきまといます。

2 無能だと思われる不安
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「理解力が低いんじゃない?」「頭、悪いんじゃないの?」。そう思われるのは怖いものです。勉強ができる人ほど「わかりません」とは言えません。

また、ミスをすると、責められたり罰を受けたりするかもしれないという不安が強い環境では、上司に報告せずに隠すようになります。

そうすると問題は隠蔽され、大きなトラブルに発展するまでだれも気づくことができません。

これは政治の世界や大企業の隠蔽など、よくあるニュースとして報道されています。優秀な人ほど、この不安に取り憑かれてしまうのです。

3 邪魔をしていると思われる不安

会話というのは、そもそもいろんなところに脱線したり、わからないことを質問し合ったりして、それについて互いに不明瞭なことを明らかにしながら前に進んでいくものです。

ところが質問をすると、「そんなこともわからないのか!」と怒りだす人がなかにはいます。そうすると質問できなくなり、理解できないまま前に進むことになります。

4 ネガティブだと思われる不安

相手に改善点や問題点を指摘すると、自分がいかに正しいかを強い口調で主張したり、批判されたと感じて怒りだす人がいます。そうすると何も言えなくなります。

改善点や問題点は放置され、それによって問題はますます大きくふくらんでいきます。「1件の重大事故の裏には300件のヒヤリハットがある」とは、そういうメカニズムで最後は重大事故になってしまうのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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