スマホより軽い!振り切った「VRゴーグル」の勝算 VRChatとビジネス用途の要求を同時に満たす

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跳ね上げ式を採用したことで、カメラやセンサーを追加することなく現実世界との素早い切り替えを可能にし、同時に軽量化も両立できた。VRChatユーザーが時折行う、飲み物を飲んだり、スマートフォンの通知を確認したりするなどの現実世界の確認を行いやすくしている。

ビジネスユースもこなす性能

一方、ビジネス分野でもVR技術の応用が進んでいる。パナソニックの小塚雅之氏によると、ビジネスにおけるVR活用は多岐にわたり、それぞれのシーンで特有の要求がある。

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パナソニックはMeganeX superlight 8Kを産業VRで展開する(筆者撮影)

自動車産業では、VRの活用が急速に進んでいる。デザイン段階では、実物大の3Dモデルを詳細に検討するため、高解像度と優れた色再現性が求められる。製造工程では、大型機械の動作確認や安全性検証にVRが用いられ、長時間の使用に耐える快適性が重要となる。「車の製造装置をシミュレーターで確認する際、長く着けられる軽いヘッドセットが必要です」と小塚氏は説明する。

建築業界でもVRの需要が高まっている。建築物の内覧や設計段階での空間確認には、高い没入感と視野角の広さが重要だ。同時に、複数の関係者で確認を行うため、素早く装着できる利便性も求められる。

CADやデジタルツインの分野では、複雑な3Dデータの可視化が主な用途となる。ここでは特に高い解像度が必要とされ、色の正確さも重要だ。小塚氏は「Autodeskとの協業では、ハイエンドモニターレベルの色解像度が求められました」と語る。

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自動車産業では自動車の設計開発から、導入ソフトのモデリング、販売現場のデモンストレーションまでVRの用途が見込まれる(筆者撮影)

さらに、MeganeX superlight 8Kの「跳ね上げ式」機能は、このような3D設計作業において特に有用だ。設計者はVR空間で3Dモデルを確認しながら、必要に応じてディスプレイを跳ね上げてPC画面を見ることができる。VR空間での作業とPC上での作業をスムーズに切り替えることが可能になる。従来のVRヘッドセットでは、VRモードとデスクトップモードの切り替えに手間がかかっていたが、この機能によりワークフローが大幅に改善される可能性がある。

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