スマホより軽い!振り切った「VRゴーグル」の勝算 VRChatとビジネス用途の要求を同時に満たす

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光学系においては、パナソニックが新たに開発したレンズを採用している。このレンズは、高解像度ディスプレイの性能を最大限に引き出すよう設計されており、歪みの少ないクリアな視界を実現している。

音響ではあえてスピーカーは搭載せず、デュアルマイクのみ搭載した。クリアな音声キャプチャーが可能で、VRChat等でのコミュニケーションの質が向上する。スピーカーを非搭載としたのはVRChatユーザーの多くが好みのイヤホンやヘッドホンを使用する傾向があることと、徹底的な軽量化を図るためだ。代わりに外部オーディオデバイスとの接続が可能となっており、ユーザーは自身の好みや用途に合わせて音響環境をカスタマイズできる。

締め付け感が少ないVR体験

実際に体験してみると、その装着感の良さに驚かされる。従来のVRヘッドセットにあったな締め付け感がまったくないのだ。

装着してVRChatのワールドを歩いてみると、画質の素晴らしさを実感できた。有機ELは黒が綺麗なため、夜の街のワールドは特に鮮明に描写され、路面に落ちた水滴までもが美しく輝いて見えた。明暗の差がはっきりと表現され、暗い路地から明るい広場に出たときの光の変化など、まるで現実世界にいるかのようだった。

MeganeX superlight 8KではMR(Mixed Reality)機能を省略し、代わりに「跳ね上げ式」というシンプルな解決策を採用した。ユーザーは必要に応じてディスプレイ部分をクイッと跳ね上げることで、即座に現実世界を視認できる。この機能により、長時間のVR体験中でも、水分補給やスマートフォンの通知確認など、現実世界での必要な行動をすぐに取ることができる。例えば、VRChat内で長時間会話を楽しんでいても、喉が渇いた時にはディスプレイを跳ね上げて水を飲むといった具合だ。

VRゴーグルを装着した岩佐琢磨CEO
現実世界の映像を画面に映すMRには対応していないが、手元を見たいときは本体を跳ね上げて肉眼で確認できる(筆者撮影)

MR機能の省略は、VRChatユーザーの実際のニーズに基づいた決定だ。岩佐氏は「MR機能は確かに魅力的ですが、実際にMRアプリを日常的に使っているVRChatユーザーは多くありません。それよりも軽量化と長時間使用の快適性を追求するほうが重要だと考えました」と説明する。

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