1人遊びトランプゲームが世界を席巻する理由 シンプルなルールと中毒性の高い演出で200万本突破

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本作の演出はかなり気持ちよく作られている。音を出してプレイするのがベターだろう(画像:Steamより)

本作は、カードを出した際に「ポン、ポン、ポン」と効果音を鳴らしながらスコア計算が行われていく。ジョーカーなどの特殊効果が発動すればするほど効果音が鳴り、どんどんそのテンポが速くなって、画面が揺れつつ、スコアが何十倍・何百倍に増えていくのである。

おまけにスコアが大きく増えると、スコア表示部分が赤く燃える。まさしくアツい演出だ。それが終わったと同時に爆発的なスコアが流れ込んでくるのだが、この様子はかなりの快感を覚えるものに仕上がっている。

ましてや『Balatro』は運によるところが大きいゲームであり、よいジョーカーを引ければそれだけでスコアが爆発的に増える。なんとなく買った宝くじがものすごいお金になるような、あるいは棚からぼた餅が降ってくるような体験が、優れた演出とセットになっているわけだ。

くれぐれも時間を溶かしすぎないように

Steam
特定の条件でプレイするチャレンジモードも存在する。なお、タイトル画面の言語設定(右下のボタン)から日本語化することも可能だ(画像:Steamより)

このようなゲームの性質から、『Balatro』はスマホが最も向いている作品になっている。操作がシンプルなのでスマホでも問題ないし、おまけに振動機能をうまく活用してトランプに触れるかのような感覚も再現できているのだから。

とはいえ、手軽であるがゆえにハマりすぎには注意したい。あくまでジョークではあるが、本作の存在が「世界の生産性を下げる」などと言われており、実際しばらくは熱中しうるほどの魅力を持つのだから。

幸いなことに本作は買い切り型であり、運によってサイフの中身を揺さぶられることはない。「労せず幸運に出会ったとき、人間はこんなにも衝撃を受けるのか」と安全に理解できる作品だ。自分の時間と向き合って遊べるのであれば、極めて健全なゲームといえる。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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