「石破は安倍の後継者」トランプ元側近が語る本音 ジョン・ボルトン元大統領補佐官に聞く【前編】

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――日鉄によるUSスチール買収は、アメリカの鉄鋼産業にとってもプラスということですよね?

これは、アメリカ鉄鋼産業をより現代的なものにするかどうかという問題だ。最終的には、さらなる改良が進むだろう。

アメリカの鉄鋼メーカーは長年多くの制約を課されてきたとはいえ、なぜ成長できないのか解せないが、日鉄によるUSスチール買収は経済効率がいいように見える。少なくとも何らかの方法で、アメリカ人の雇用も守られそうだ。そうした総体的なメリットを考えれば、私だったら買収にゴーサインを出す。

ハリス氏はUSスチール買収を認める?

――次期大統領は買収を認めるべきだと思いますか。

そうだね。十分な条件が整っていればの話だが。買収審査の遅れを見ても、最終的な決着が大統領選以降か、大統領就任式(新年1月20日)の後になるのは間違いない。

――ハリス氏が大統領になった場合、買収を認めると思いますか。

その可能性はある。

――ハリス氏は9月25日、MSNBCに出演し、日鉄の買収について問われ、次のように答えています。「最も重要なのは、アメリカの労働者によるアメリカの鉄鋼製造能力を維持することだ」と。この言葉の真意は?

労組向けのアピールだ。買収にどのような態度で臨むかを示しているのだろう。ひるがえって私は、今よりはるかに効率的な方法でアメリカの鉄鋼が製造され、コスト削減により、アメリカの鉄鋼製品の国際競争力が高まるよう願っている。それがアメリカに必要なことだ。

日鉄にはそれを実現させるだけの資本があるが、USスチールにはない。

※後編では大統領選挙の見通しや「ポスト・トランプ」の共和党について聞く
肥田 美佐子 ニューヨーク在住ジャーナリスト

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ひだ みさこ / Misako Hida

東京都出身。『ニューズウィーク日本版』編集などを経て、単身ニューヨークに移住。アメリカのメディア系企業などに勤務後、独立。アメリカの経済問題や大統領選を取材。ジョセフ・E・スティグリッツなどのノーベル賞受賞経済学者、「破壊的イノベーション」のクレイトン・M・クリステンセン、ベストセラー作家・ジャーナリストのマルコム・グラッドウェルやマイケル・ルイス、ビリオネア起業家のトーマス・M・シーベル、ジム・オニール元ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長(英国)など、欧米識者への取材多数。(連絡先:info@misakohida.com)

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