②過去に受けた褒め言葉や励ましの言葉を自分に言い聞かせる
過去に他人から受けた褒め言葉や励まし、肯定的なフィードバックは、単に外からの声として受け止めるのではなく、その言葉を自分に言い聞かせて、自分自身の自己対話の声として取り入れます。
例えば、新しいプロジェクトに取り組む前や困難な状況に直面したときに、過去に誰かが言ってくれた「よくできた」「〇〇さんならできる」といった言葉を、自分自身に向けて繰り返すことで、自信を持って挑戦することができます。
この方法は、他人からのポジティブな評価を自分自身の強みとして受け入れることで、自己効力感を高め、ポジティブな自己イメージを強化します。
①で書き出した事例を使って、「過去に受けた褒め言葉や励ましの言葉を自分に言い聞かせる」例を紹介します。
「中学生時代のファシリテーションスキルに対する褒め言葉」を使う
・自分を励ますために
「あのとき、先生が私のファシリテーションを褒めてくれたように、今でも私はうまく進行できる。私には皆が参加しやすい環境をつくる才能があるんだ」
「中学のときに先生から褒められた通り、私は人を巻き込むことが得意だ。今日のミーティングでもそのスキルを生かそう」
・不安や緊張を感じたときに
「自分が進行すると、皆がリラックスして意見を言いやすくなる。中学のときもそうだった。今も同じことができる」
「先生が認めてくれた私のファシリテーション能力を信じて、プロジェクトリーダーとしてその経験を生かそう」
「社会人としてのリーダーシップに関する励ましの言葉」を使う
・日常的な自己対話で
「上司が言ってくれたように、私はチームの力を引き出すことができる。自分にはその能力があるんだ」
「リーダーとしての道は簡単ではないけれど、上司が私を信じているように、自分も自分を信じよう。困難があっても乗り越えるための力が自分にはある」
・困難に直面したときに
「今、チームが苦しい状況にあるけど、これは成長の機会だ。上司が言ってくれた通り、思い切ってチャレンジしてみよう」
「自分がリーダーとしてどれだけ成長しているか、今こそ見せるときだ。上司が応援してくれているから恐れずに進もう」
過去に受けた他者からの肯定的な評価や励ましの言葉によって、自分の能力に対して「自分はできる」と思える信念を再認識して強化できます。また、その言葉を思い出すことで、過去の成功体験を再び認識でき、新たな取り組みや挑戦に対する自信になります。こうして自己効力感は、徐々に向上させることができるのです。
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工藤 紀子
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会 代表理事
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くどう のりこ / Noriko Kudo
「心の仕組み」の理解と「セルフエスティーム向上」についての研究を続け、自己肯定感を高める独自メソッドを確立。2005年ヴィーナス・クリエイトを立ち上げ、延べ2万人以上の自己肯定力向上プロジェクトに取り組む。2013年一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会を設立。個人向け講座、企業や教育現場での研修や講演、講師の育成に力を入れている。2019年中学校道徳の教科書(Gakken)に「自己肯定感」について執筆。「子どもも大人も、自分らしくハッピーに!」をキャッチフレーズに、自己肯定感で職場や社会を元気にする「ラブ・マイセルフ100万人プロジェクト」に取り組んでいる。
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