「極悪女王」ヒットが示す"復活できる人"の6条件 「復活できる人」と「消えてしまう人」の違いは?

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最近の不倫の事例で言えば、声優の古谷徹さんの降板が挙げられる。今年の5月に古谷さんの不倫報道があったが、不倫だけでなく、妊娠・中絶・暴行の報道もなされた。その後、相次ぐ降板ラッシュが起きたが、つい最近でも「ドラゴンボール」シリーズのヤムチャ役を降板することが発表された。

声優は、顔や名前が表に出る機会は少ないため、俳優と比べると不祥事の影響は少ない。

2021年に不倫が発覚した声優の鈴木達央さんは、歌手のLISAさんの配偶者だったこともあり、大きな話題になった。降板にもなったが、配偶者のLISAさんとも離婚することなく和解し、声優活動は続けられているし、それによって大きな批判を受けてもいない。

古谷さんの場合は、知名度の高さや、不倫以外の行為の深刻さ、アニメを視聴する子どもたちに対する影響を考えると、相次ぐ降板はやむをえなかったと思う。今後どうなるかは何とも言えないが、古谷さんの後任の声優の声が視聴者に定着してしまうと、再度古谷さんに切り替えるのもハードルが高いかもしれない。

俳優たちのリアルな復活の道も見せる

『極悪女王』の話に戻ろう。本作は、当時嫌われ、激しく叩かれたダンプ松本さんの素顔を描くと同時に、俳優たちのリアルな復活の道も見せてくれる作品だ。

現代は、容易に叩かれやすいうえに、干された人が復活しづらい時代ではあるが、それでも復活する道は与えられている。作品や出演者への高い評価は、生きづらい現代社会の反動とみることもできるように思える。

メディアやSNSで話題にされない一般人の私たちにとっても、“嫌われる”ことによって自らの地位を築き上げ、頂点に登り詰めたダンプ松本さんの姿や、当時活躍した女子プロレスラーを演じた剛力さん、唐田さん、ゆりやんさんの俳優としての復活劇から学ぶべき点は多いように思う。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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