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「手術中汗を拭いてもらう」外科医が実はいない訳 ドラマと現実ではこんなにも異なっている!

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  • 北原 大翔 シカゴ大学心臓外科医・NPO法人チームWADA代表理事
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そのほか、ドラマと現実の医療現場の共通点、逆にどんなところが違うのか、よくあるシーンごとに紹介しよう。

「手術中に汗を…」「上の小部屋から…」

ドラマでよくあるシーン1:手術中、看護師に汗を拭いてもらう

ドラマではよくあるシーンだが、私は手術中に汗を拭いてもらったことは一度もない。というより、そもそも汗をかかない。手術室は適温に保たれており、汗をかくほど暑くはないからである。

心臓手術をする部屋は、ほかの手術の部屋と比べて低めの温度に設定されている。心臓手術は心臓を止めて行うのだが、その間は心臓に血液が流れないので、止まっている時間が長くなれば長くなるだけ心臓にはどんどんダメージが加わっていく。

このとき、体の温度を低くすると、心臓の代謝を抑えることができるため、血液が流れていない間に心臓にかかるダメージを少なくすることができるのだ。

これは、冬眠中の動物が体温を低くして代謝を抑えることで、何も食べずに冬を越すことができるのと同じである。手術によっては、患者の体温を20°C以下に落とすこともあるのだ。極寒である。

ドラマでよくあるシーン2:手術室の上の小部屋から手術を見学する

偉い医者たちが手術室の上にある部屋からガラス越しに手術を見ているところがよく描かれるが、この部屋は実際に存在する。

ただ、実際にはそこからでは手術の様子はまったく見ることはできない。

手術を受ける患者の周りには外科医や看護師などたくさんのスタッフがいるし、胸の中など体の深い部分を手術するときはその場にいる外科医でも見えないことがあるくらいなので、上の部屋からそれを見るのはほぼ不可能なのだ。「あの子かわいいね」とか「あいつさぼってんな」とか、そんなことくらいしかわからないだろう。

ただし、手術室の天井にはビデオカメラがついているので、それを見ればどんな手術をしているかはわかるようになっている。外科医によってはヘッドカメラをつけて、自分が見ているものをそのまま映像として映し出す者もいる。

ヘッドカメラの映像はとてもクリアなので、手術の振り返りや若手の教育にとても有用である。ただ、手術後に外すのを忘れてそのままトイレに行ってしまうと、大変なことが起こる。

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