スタートアップは「マイルドなカルト集団」なのか 「チャーチ・セクト論」で分析した"驚きの結論"

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この分類を踏まえると、ベンチャー企業は「究極よりも少しマイルドなカルト」というピーター・ティールの主張も、理解できるのではないだろうか。

革新的ベンチャーほど、社会から正当な評価を受けにくい

ベンチャーは新しい技術・アイデア・ビジネスモデルなどを社会に提供するために生まれる。規模も小さく、「セクト」あるいは「カルト」にあたる。

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そして、その技術・アイデア・ビジネスモデルが革新的であればあるほど、その時代の主流派と対立しがちになる。

結果、革新的なベンチャーほど、社会から「正当な評価」を受けにくい

まさに「カルト」である。

では、その宗教団体の「セクト」「カルト」は、どのように成長・進化していくのであろうか。「セクト」「カルト」が「チャーチ」に至るプロセスは、どう説明できるのか。

経営学には、それを説明し得る「理論」がある。

それを解き明かす「エコロジーベースの進化理論」については、この記事の後半(「なぜ企業は大胆変革できない?」経営学者の視点で詳しく解説したい。

*この記事の続き:「なぜ企業は大胆変革できない?」経営学者の視点

入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授

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いりやま あきえ / Akie Iriyama

1972年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2019年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。著書に『世界標準の経営理論』などがある。

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