そして、新刊『宗教を学べば経営がわかる』でジャーナリストの池上彰さんとの対談を通じて発見したことは、そういったベンチャー企業の成長理論を応用することが、一般に「カルト」「セクト」と呼ばれる新興の宗教団体の進化プロセスの理解にもつながる、ということだ。
みなさんの中には「カルト」という言葉に、抵抗を覚える方もいるだろう。
しかし、たとえば米決済サービスのベンチャーであるPayPalを立ち上げた、世界的な起業家・投資家であるピーター・ティールは、次のように述べている。
最高のスタートアップは究極より少しマイルドなカルト
究極の組織のメンバーは、同じ組織のメンバーとしかつるまない。彼らは家族を無視し、外の世界を遮断する。だけど、それと引き換えに強い仲間意識で結ばれ、普通の人が否定するような神秘的な「真実」に到達する。そんな組織はこう呼ばれる──
「カルト」。(中略)
最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルトと言っていい。
(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ〔関美和訳〕『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』NHK出版より)
「カルト」。(中略)
最高のスタートアップは、究極よりも少しマイルドなカルトと言っていい。
(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ〔関美和訳〕『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』NHK出版より)
では、そもそも「カルト」とは何だろう?
この理解を助けるのが、カルトと他の宗教団体を整理した「チャーチ・セクト論」である。
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