真剣に語られ始めた「AIブーム終焉のタイミング」 ウォール街を揺らす悲観アナリストの衝撃予測
9月初めにサンフランシスコで開催されたゴールドマンの年次技術カンファレンスで、同社はコヴェロとリーを数百人の聴衆の前に立たせ、AIに対する2人の見解の相違を説明させた。
コヴェロは、その能力が「中学校のプレゼンテーション」と同レベルであると判断して、ある製薬会社がマイクロソフトのAIサービスをキャンセルしたというビジネスインサイダーの記事を引用しながら、AI技術の欠点に焦点を合わせた。
リーはこれに首を振り、AIが100社で5000人の開発者の生産性を20%向上させたというプリンストン大学の論文にスポットライトを当てた。
「完璧なわけではない」としながらも、リーはこう続けた。「人々は生産性向上による節約を少しずつ実現している」。
AIブームが勢いを失うタイミングは?
対するコヴェロは、AIブームが勢いを失うのは、この技術を導入している企業の利益が減少して支出を減らすタイミングになると予測する。彼は、それがドットコム不況の再来になるとまでは考えていない。だが、コヴェロは日々、自らの考えに再検討を加えている。
「非難を受けやすい危険な見方を打ち出していると、AIは実際みんなが考えているくらい大きなものになるのではないかという一種の疑心暗鬼をつねに抱えるようになる」とコヴェロは言う。
「だから毎日、自分が何か見落としているのではないかと本気で目を光らせているのだ。自分が間違えているところはないのか、と」
(執筆:Tripp Mickle記者)
(C)2024 The New York Times
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