真剣に語られ始めた「AIブーム終焉のタイミング」 ウォール街を揺らす悲観アナリストの衝撃予測

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エヌビディアの製品について説明をする同社のフアンCEO(写真:Jim Wilson/The New York Times)

ジム・コヴェロは9月、サンノゼからサンフランシスコに向けてハイウェイ101号線を駆け抜けながら、人工知能(AI)に関する看板を数えた。ライター・エンタープライズAIなるものや、スピーチAIを宣伝する看板もあった。通り過ぎた40枚近い看板は、経済バブルを裏付ける新たな証拠だとコヴェロは考えた。

「少し前まで看板はすべて暗号通貨だった。そして今はすべてAIだ」とコヴェロは言う。

AI関連銘柄「下落」の引き金

ゴールドマン・サックスで株式調査部門の責任者を務めるコヴェロは、ウォール街を代表するAI懐疑論者となった。彼は3カ月前、今後数年間で1兆ドルとも言われるAI投資に対し企業が十分なリターンを得られるかどうかを疑問視する調査リポートを発表し、市場に衝撃を与えた。

文章を要約したりソフトウェアコードを作成したりできる生成AIは、非常に多くの間違いを犯すため、複雑な問題を確実に解決できるようになるのかは怪しいとコヴェロは話す。

ゴールドマンのリポートは、有力ベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルのパートナーがAIについてブログで同様の疑問を提起した数日後に発表された。こうした懐疑論はAI関連銘柄の転換点となり、ウォール街で最もホットなトレード(取引)の修正につながった。

ゴールドマンの別部門が管理するAI関連銘柄のバスケットには、エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン、メタ、オラクルが含まれているが、AIは途方もない投資を正当化できるビジネスなのかという議論が投資家やビジネスリーダーの間で浮上する中、その評価額は7月10日のピークから7%下落した。

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