「GRヤリス/LBX MORIZO RR」が豹変する新機能 スマホアプリから設定するサーキットモード

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GRヤリスのインテリア
GRヤリスのインテリア(写真:三木宏章)

シフトタイミングインジケーターは2ステップで稼働させる。まず、シフトアップさせたいエンジン回転数(4000~7000回転までの間で100回転刻み)を設定。次に、その変速タイミングを知らせてくれる方法を選ぶ。1つ目が変速準備時間(1秒前、1.5秒、2秒)で制御。これは変速までを秒数でカウントダウンしてくれる。2つ目がギヤ比に連動した制御。こちらは1速、2速など加速しているギヤ段に応じて変速タイミングを知らせてくれる。

サーキットでは周囲のクルマや迫りくるコーナーに気をとられ、シフトアップのベストタイミングを逸してしまうことがある。その点、シフトタイミングインジケーターであれば目線は前方に向けたまま、加速中のベストな変速タイミングをメーター上部のバー表示で知ることができる。まさにサーキット専用メーター表示だ。

オーバーヒートを防ぐ、クーリングファン制御

LBX MORIZO RRのインテリア
LBX MORIZO RRのインテリア(写真:三木宏章)

こうしてサーキット機能を駆使して周回を重ねると、当然ながらエンジンもヒートアップする。コース周回後はエンジンのオーバーヒートを防ぐため車両の冷却機能としてクーリングファンが活躍する。

『④クーリングファンの最大化』とは、ドライバーがアプリ操作によってファンを最大風量にする機能のこと。オーバーヒートは出力低下だけでなく、連続すればエンジントラブルのもとになるだけに、やはり④もサーキット走行には欠かせない装備だ。

ひとしきり体感したサーキットモードだが、筆者の好みはAT/MTともに、アンチラグは強、変速タイミングは時間で1秒、これがベストな組み合わせだった。今回は試していないがウエット路面であれば、アンチラグ無/1.5秒が良いと想像する。

GRヤリスの試乗シーン
GRヤリスの試乗シーン(写真:三木宏章)
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サーキットモードはタイムアップを狙うという本来の使い方のほかに、近い将来、一般化するSDV(ソフトウェアディファインドビークル)化に対する布石になると思えた。スマートフォンのアプリ操作で自車の性能が向上したり、機能が追加されたりするから、マイカーの価値を購入後も継続的に高められる。

もっともハードウェアの設計段階で考慮されていない性能まで高めることはできないが、ソフトの進化で愛車との付き合い方が深く、そして楽しくなる。これぞまさにSDVの世界観だ。

なお、この機能について開発された方々の声、ならびに機能の詳細を筆者の動画サイト「西村直人の乗り物見聞録」に収録しています。本稿と併せてご確認ください。

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西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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