「GRヤリス/LBX MORIZO RR」が豹変する新機能 スマホアプリから設定するサーキットモード

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サーキットモードの使用方法とスピードリミッター解除の仕組み
サーキットモードの使用方法とスピードリミッター解除の仕組み(写真:トヨタ自動車)

自車位置の把握は、正常に稼働したあとでも定期的に繰り返され、サーキット外で稼働しないように徹底されている。まさしく二重三重の安全設計だ。また、ユーザーからの要望次第では、現在の稼働対象である34カ所以外のサーキットでの使用も検討するという。

各車のMT/AT、合計4台に試乗

試乗は、モビリティリゾートもてぎの南コースで実施
試乗は、モビリティリゾートもてぎの南コースで実施(写真:三木宏章)

今回は「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県)にてGRヤリスとLBX MORIZO RRのサーキットモードを試した。試乗コースが車速180km/h未満のショートコースだったため、『①スピードリミッターの上限速度を高める』は体感できなかったが、②~④については両車でしっかり確認できた。さらにGRヤリス/LBX MORIZO RRともに6速MTと8速AT(GR-DAT)の車両が用意されていたので、それぞれの違いなども体感することができた。

注目ポイントはLBX MORIZO RRに設定された6速MTだ。海外モデルでは過去に「IS」(日本名/アルテッツァ)で6速MTの採用実績があったが、国内向けレクサスとしては初のマニュアルトランスミッションである。

LBX MORIZO RRのエンジンルーム
LBX MORIZO RRのエンジンルーム(写真:三木宏章)

GRヤリスやLBX MORIZO RRが搭載する直列3気筒1.6Lターボエンジン「G16E-GTS」型は304PS/400N・mを発揮する。最高出力を排気量1.0Lあたりに換算すると約190PS(日産「GT-R」は標準モデルで同、約150PS)にもなるのだが、このハイパワーはターボチャージャーの高い過給圧により得られる。

ターボの仕組みとターボラグについて

ここでターボチャージャーの原理を極めて簡単におさらいする。燃焼後にシリンダーから排出されるガスの通り道にタービン(羽)を配置し、軸を通じてつながっている反対側のタービンをまわす。その反対側のタービンはシリンダーに空気を送り込む通り道に配置されているので、勢いよくタービンがまわることで圧縮された空気が一気にシリンダー内に送り込まれる。これを過給効果と呼び、圧縮された空気量に見合った燃料を与え、燃焼行程を経ることで高い出力とトルクが得られる。

しかし、エンジンの低回転域では十分な排気エネルギーが得られず、結果、圧縮すべき空気量も思ったほど増加しない。よって低回転域ではアクセルペダルを踏み込んでもすぐには過給効果が得られない。これをターボラグと呼ぶ。昨今では、エンジンの低回転域など過給効果が高まりにくい状態を検知すると、タービンに風を当てる流路をすぼめて流速を早めタービンの回転力を高めるVGターボ(可変ターボなど呼び名はさまざま)なる機構も一般化しているが、いかんせん物理的な空気量が少ないとターボラグは発生し続ける。

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