鈴木おさむが語る「極悪女王」の"誕生のきっかけ" ネトフリ側も興味を抱いた、企画のつくり方

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僕はそういうキャスティングがけっこう好きなんですよ。「離婚しない男 -サレ夫と悪嫁の騙し愛-」というドラマでは篠田麻里子さんに出演をお願いしたんです。

きっと篠田さんもいろんな思いでドラマに出てくださったんだと思うし、彼女自身、運命が変わったと言ってくれているし。やはり何かに懸ける人のパワーってスゴいなと思いました。

楽しくないからこその「天職」

――あらためて質問を。放送作家・脚本家という仕事を引退し、そこから新たな仕事に向き合うわけですが、今の人生はしあわせですか?

僕は放送作家を32年間やってきて、楽しかったことって1回もなかったんですよ。本当に苦しかった。もちろんうれしいことや、感動したことはありましたけど、でも楽しかったかと言われれば、そうではなかった。僕は放送作家をやっているときがすごくつらくて、苦しかったんですけど、それでも自分で天職だとは思っていましたね。

そういう意味では、今も楽しくはないです。だって皆さんから出資していただいたお金を背負って、その中で3倍のリターンを出すために、いくつかの100億円企業を絶対作らないといけないんですよ。

極悪女王 鈴木おさむ
放送作家を引退した現在は"スタートアップファクトリー代表"として、スタートアップ企業のサポートをする日々を送っている(撮影:今井康一)

ここで今、自分が向き合うことは、人の人生を背負うことだし、本当に日々が戦いなんです。ただ、皆さんの期待を背負ってお金を集めて、次のステージに向かうことができる、ということはありがたいと感じています。だからこの新しい戦いを今から10年やれるということに対しては、とてつもなくしあわせ者だなと思っていますね。

実は僕、イチローさんと白鵬さんと仕事をしたときに同じ質問をしたんですよ。「現役時代、楽しいことありました?」って聞くと、「ないよ」って2人が声をそろえて言って。「ただただしんどかった」って。やはりそうだよなと思ったんです。

だから全力で打ち込んでるときは、そりゃもちろんうれしいことも面白いこともありますけど、楽しかったかといえば、別に楽しくはなかった。でも、だから天職なんだと思うんですよね。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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