鈴木おさむが語る「極悪女王」の"誕生のきっかけ" ネトフリ側も興味を抱いた、企画のつくり方
80年代ってお金もあふれているし、ある意味クレイジーな時代だったと思う。(Netflixシリーズの)「全裸監督」を観ても、80年代の日本って何かあるなと思っていたんです。そこで女子プロレスを思いついたという感じです。
――女子プロに着目したきっかけはあったのでしょうか?
昔、テレ朝で僕が構成に入っていて、今田耕司さんがMCをやっていた「すじがねファンです!」という番組に、ダンプ松本さんと長与千種さんに出ていただいたんです。
その番組は、80年代の頃から、ずっとファンを続けている人が出てくるという番組で。おニャン子クラブのファンをずっとやっている人とか、そういう人が出てくる番組なんですが、そこに長与千種さんとダンプ松本さんのそれぞれのファンが登場する回がありました。
両者は今でもいがみあっているんですが、その時に収録現場で、あの「敗者髪切りデスマッチ」の映像を流したわけです。長与さんのファンの方たちは、あれ以降、その映像を見たくなかったというか、一度も見てこなかったとのことで。その場で本当に悔しそうに号泣するんですよ。それを見たときに、この熱量のものってなかなかないな、と思ったんです。
やはり時代が、プロレスやエンターテインメントと全力で向き合ってる時代なんですよ。今はテレビで発信されることに、それほど本気で向き合わないじゃないですか。それだけに、ある意味、狂気の時代を生き抜いた人たちの全力さというのが、テーマとしていいなと思ったんです。
企画は15秒で興味を持たせる
――現在の地上波ではこのドラマはできないと思いますし、Netflixならではの企画だなと思ったのですが。
この企画は最初からNetflixで実現したいと考えていました。最初につくった企画書の最初のページには、「極悪女王」というタイトルとともに、当時の髪切りマッチの写真をつけたんです。それで企画書を提出したときに「これはドラマなんですか?」と聞かれたので、「はい、ドラマです」と返したら面白がってくれました。
――鈴木さんが企画を提案するときに心がけていることはありますか?
この作品に関しては表紙の、髪切りマッチの写真がすべてだったと思います。僕はよくタイトルが9割と言うんですけど、タイトルとこの写真がすべて。
「何これ?」という引きが大事だったかなと思います。それから説明に5分以上はかけないですね。まずはとにかく15秒で興味を持たせるというのは絶対大事だと思います。
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