「ツカミ」で笑いを取りにいこうとする人の盲点 下手をすると聞き手の気持ちが冷める可能性も

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ちなみに、私もアナウンススクールのレッスンで「7秒」と書かれたスライドを使うことがあります。7秒という数字は、人の第一印象が形成されるまでのおおよその時間です。

最初に「人の第一印象は一瞬で決まります」と言うよりも、「7秒」という具体的な数字を見せるほうがより大きなインパクトとなります。

また、数字で表現することで、時間の短さも感じやすくなります。そのため、先ほどと同じように、「人の第一印象は一瞬で決まります」と言うよりも、「7秒でみなさんの人生が決まります」と伝えるほうが、スクールに参加している人に興味を持ってもらうことができるのです。

その上で、「面接では、部屋に入って最初の挨拶をするまでに10秒くらいかかります。そこまでの姿勢や表情を意識しないと、印象は悪くなってしまいます」と伝えると、参加者のみなさんの入室時の姿勢や表情、第一声の張りが一発で変わります。

ツカミに笑いは不要

お笑いの世界で、舞台に登場してから最初の笑いを取りにいくことを「ツカミ」といいます。そのため、「ツカミ」=笑わせること、というイメージがあるかもしれません。

このようなイメージから、「ツカミは難しい」「笑いのセンスがないと無理」と考える人もいます。

しかし、そもそも会話や説明において、ツカミで笑いを取る必要はありません。

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目的は、あくまで聞き手の興味・関心の目をこちらに向けることです。笑わせるよりも、聞き手が興味のある一言を言うほうがツカミになります。

特に、聞き手との間にあまり信頼関係ができていない場合は、笑いでツカミを取りにいかないほうがいいです。

下手をするとその後の話を聞いてもらえなくなったり、聞き手の気持ちが冷めてしまったりする可能性があります。これまでにお伝えした、「リード」と「キーワード」さえ押さえておけば、自然とツカめている状況が出来上がりますので、それほど難しく考えなくて大丈夫です。

石田 一洋 関西テレビ放送アナウンサー

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いしだ かずひろ / Kazuhiro Ishida

広島県出身、2002年早稲田大学商学部卒業。RKB 毎日放送を経て2014年から現職。プロ野球日本シリーズや、競馬G1、大阪国際女子マラソンなど全国ネットのスポーツ中継のほか、番組MC やリポーター、ニュース、ラジオパーソナリティ、ナレーション、司会と幅広く担当。アナウンスメントやドキュメンタリー制作のコンテスト優勝、受賞歴多数。第10回全国講師オーディションではグランプリを獲得。

学校や企業研修では、「伝わる説明の技術」や「人を動かす伝え方」を中心に、「アサーティブコミニケーション」「獲れる採用説明会の作り方」などを指導している。

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