合成ポルノ画像を拡散、韓国「新手の性犯罪」の闇 根の深い問題に政府はどこまで立ち向かえるか

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それでも、問題は悪化し続けている。韓国警察が報告しているディープフェイク性犯罪は、この種のデータが初めて収集された2021年には1年間で156件だったのに対し、今年は1月から7月までで297件に達している。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が「根絶」を政府に命じたのは、先月、テレグラム上でディープフェイクが広く拡散している状況が国内のニュースメディアによって明らかにされてからのことだった。ユン氏に批判的な人たちは、2022年の大統領選挙運動中に同氏は韓国における構造的な性差別の存在を否定し、女性家族部の廃止を公約していたと指摘する。

ディープフェイクの増加に関するニュース報道は今年、若い女性たちの間でパニックを引き起こし、多くの女性がディープフェイクに使用されることを恐れて自撮り写真など自身が写った画像をSNSアカウントから削除した。

先月にソウル特別市教育庁に就任するまで中学校の校長を務めていたチョン・ジンゴン氏は、前任校では卒業アルバムから生徒の写真を省くかどうかが議論されていたと語った。

「一部の教師はすでに、写真を載せることを拒否し、似顔絵に置き換えている」とチョン氏は言う。

購入、視聴を取り締まる立法を政府は約束

2020年に制定された法律では、性的に露骨、もしくは虐待的なディープフェイクを配布する目的で作成した者は5年以下の懲役、このようなコンテンツを配布することで金銭的利益を得ようとした者は7年以下の懲役となる可能性がある。しかし、ディープフェイクの購入、保存、視聴を禁止する法律はない。

政府はディープフェイクポルノの購入や視聴を取り締まる、より厳しい法律の制定を推進すると約束している。

(執筆:Choe Sang-Hun記者)
(C)2024 The New York Times

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