合成ポルノ画像を拡散、韓国「新手の性犯罪」の闇 根の深い問題に政府はどこまで立ち向かえるか

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プライバシー保護のため名前は伏せるが、ある30歳のディープフェイク被害者が受けた攻撃は、2021年に「やあ!」というテレグラムの匿名メッセージから始まった。

その後数時間にわたって、ひわいな言葉や、彼女の顔を使ったディープフェイクの画像と動画が次々に送られてきた。顔写真は、彼女がSNSに投稿した家族旅行の写真から切り取られたものだった。彼女の体には「奴隷」「便器」「ぼろ切れ」といった言葉が書かれていた。

犯行グループには元同級生も

今年4月、この女性は警察から、拘束されたグループの中にソウル大学の元同級生2人がいることを知らされた。名門大学の男性卒業生たちが共犯者らとともに多数の女性をディープフェイクポルノの標的にしていた。被害者にはソウル大学の元学生12人も含まれていた。拘束された男性の1人には先月、懲役5年の判決が下っている。

「女性だからという理由以外に、あのような扱いを受けた理由は思いつかない。私のまわりにああいう人たちがいたことで、ほかの人が信じられなくなった」と彼女は話した。

攻撃を受けて以来、トラウマに苦しんでいると言う。スマートフォンにメッセージ通知が届いたり、匿名の電話がかかってきたりするたびに、心拍数が上がる。

ポップカルチャーを世界中に輸出している韓国は、ディープフェイクポルノに最も脆弱な国だ。アメリカに拠点を置くサイバーセキュリティ企業のセキュリティヒーローが発表した調査「2023年のディープフェイク状況」によると、世界のディープフェイクの半分以上が韓国人をターゲットとしており、その大部分で韓国の歌手や女優が餌食になっている。

K-POPの大手事務所は、ディープフェイクに対して宣戦布告し、そうした画像や動画を作成・拡散した者に対して訴訟を起こすことも辞さないと警告している。

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