熟年離婚で陥る「老後破綻」の知られざるリスク 制度改正された「年金分割」にも注意が必要

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そんなの知らなかった、あの時こうしておけばよかったと、後悔しないためにも、離婚を切り出す前に知っておきたいこと、中でも公的年金や保険に関する疑問についてよくあるご質問にお答えしたいと思います。

Q1:老後は年金が頼りですが、離婚しても夫の年金の半分はもらえるのでしょうか?

答えはNOです。熟年離婚が増えている背景の1つに、2007年の年金制度の改正によって、「年金分割」(離婚時に夫が積み立てた年金を分割すること)ができるようになったことが挙げられますが、実はこれには注意が必要です。

分割されない年金がある!

①そもそも年金は、会社員であれば、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てになっていますが、離婚した場合に「年金分割」の対象になるのは、厚生年金のみです。つまり、国民年金(基礎年金)は対象にはなっていません。

さらに、厚生年金のうち婚姻期間中に保険料を払った部分のみが分割の対象になるため、厚生年金ですら相手の年金を半分もらえるとは限らないのです。

つまり、配偶者が自営業者やフリーランスで、国民年金(基礎年金)にしか加入していなかった場合は、年金分割を請求することはできません。

②当然ながら「遺族年金」については、離婚したら配偶者ではなくなるため、原則として元配偶者の遺族年金は受け取ることができません。

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