700~800万円級EV「日産アリア」の購入者は? エクストレイル/キックスと比較分析で露わに

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エクストレイルはキックス、アリアと、今回取り上げた日産のSUVが登場しつつも、「ハリアー」「RAV4」「アウトランダーPHEV」という同じミドルサイズSUVと比べられていることがわかった。

キックスは、日産のコンパクトカー「ノート」と多く比較されており、SUVというボディタイプではなく、ボディサイズや価格の観点で比較されたと推察される。

ノート、2023年マイナーチェンジモデル(写真:日産自動車)
ノート、2023年マイナーチェンジモデル(写真:日産自動車)

それ以外にもトヨタ「ヤリスクロス」「カローラクロス」、ホンダ「ヴェゼル」といった比較的コンパクトなSUVがランクインした。

最後にBEVであるアリアについて、なぜ「比較検討した車種を購入しなかったのか」を示す「棄却理由」の結果を紹介する。すると、次の3点を回答した人が多かった。

■スタイル・外観が気に入らない(17%)
■電気自動車ではない(14%)
■納期が長かったから(13%)

やはりBEVのアリアを購入した人は、BEVであることが重要なのだ。ちなみに、少しスコアは下がるが、「BEVの航続距離が短いから(8%)」の項目も挙がっており、BEV内で比較検討した結果を理由としている人も、少しであるが存在している。

実際、アリアの航続距離が460~640kmであるのに対し、リーフは322~450km、サクラは180kmである(いずれもWLTCモード一充電走行距離)。

まだまだ「BEVに乗りたい」と強く思う人のクルマ

今回は日産の3つのSUV、アリア、エクストレイル、キックスについて見てきた。パワートレインもボディサイズも価格帯も異なる3車種を同時に分析することで、日産オーナーの共通点や、各車オーナーの違い、そして日本におけるBEV購入の現状が見えたのではないだろうか。

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BEVは、開発環境やバッテリー調達に関する産業構造、原材料が特定の国に偏って算出される地政学的状況などから、まだまだ大幅なコストダウン(=価格低下)は難しいと考えられる。また、充電インフラの問題もあり、自宅で充電しにくいマンション居住者には手が出しづらい。

今回の結果を見ても、「BEVに乗りたい」と強く思う人が、「補助金を含めれば検討候補に入りうる車種もある」という状況が続くと思われる。

【写真】もう一度、アリア/エクストレイル/キックス購入者の分析データを見る
三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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