700~800万円級EV「日産アリア」の購入者は? エクストレイル/キックスと比較分析で露わに
新車購入は、前有車の車検やライフステージが変化するタイミングで行う場合が多いが、「この時期に購入した理由」を聞いてみたところ、アリア購入者は「補助金を利用できるから」が41%と多く、BEVにおける補助金のインパクトの大きさが見て取れる。
上記の価格データでは、アリアの「最終支払い額」は約600万円だが、ここに補助金(令和5年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」)が適用されると、最大85万円(グレードによっては68万円)が受けられる。
また、自治体によってはさらに補助があり、例えば東京都で購入し、再エネ電力導入の場合は70万円(再エネ電力導入しない場合は55万円)が追加されるから、補助金は最大155万円にもおよぶ。
つまり、「最終支払い額」の約600万円は実質450万円程度になるのだ。こうなると、エクストレイルとの差はほぼない。
比較車種から「明確なライバル」なし
次は視点を変えて、購入時の比較検討状況を紹介する。
先に見たとおり「購入の前提条件」として「車名」を挙げた人はそこまで多くなかった。これは、他に比較検討した車種があった可能性を意味する。実際に比較検討したクルマがあった人は、アリア購入者:34%、エクストレイル購入者:46%、キックス購入者:48%であった。
アリア購入者のスコアが低いのは、車種に強いこだわりはなくても、「日産のBEV」という“指名買い”が多い結果だといえる。
では、比較検討した人は、具体的にどの車種を比べたのか。結論からいうと、アリアとエクストレイルに関しては「明確なライバル」といえる存在はなかった。
アリアはエクストレイル、エクストレイルはトヨタ「ハリアー」がもっとも比較された車種として出たが、どちらも10%程度でしかなく、さまざまな車種と比較されていることがうかがえる。
アリアは、上位5車種のうち4車種が日産車である一方、スバル「ソルテラ」を含めた3車種がBEVであった。
ミドルサイズSUVの比較検討車種に軽自動車が挙がることはめずらしいが、ここにもSUVであること以上に、BEVを前提条件にした人が多いことを示しているといえる。
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