700~800万円級EV「日産アリア」の購入者は? エクストレイル/キックスと比較分析で露わに

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もうひとつ特徴的なのはキックスで、「車名」へのこだわりが非常に低い一方で、「購入予算」「燃費の良さ」が高く出たことだ。

維持費も含めたコストに敏感な人たちが、「e-POWERのコンパクトSUV」として選んでいるのであろう。

キックスの2024年改良モデル(写真:日産自動車)
キックスの2024年改良モデル(写真:日産自動車)

ちなみに「車名」と答えた人は、いずれの車種も2割に達しておらず、あまり重要視されていない。20年以上の歴史を持つエクストレイルが、車名(ブランド)で選ばれていないのは、少々意外である。

「決定のこだわり度合い」もあわせて見てみよう。

もっともこだわりの強い「ぜひこの車種に」のボリュームを見ると、「アリア>エクストレイル>キックス」とはっきりと差が出ている。順番は予想どおりといった結果であるが、思ったよりもアリアとエクストレイルの間の差が大きい印象だ。

エクストレイルの2024年改良モデル(写真:日産自動車)
エクストレイルの2024年改良モデル(写真:日産自動車)

エクストレイルは、競争の激しいミドルサイズSUVの中で戦っているため、他メーカー車と悩み、比較しながら購入に至った人も多いのだろう。その点アリアは、先述のとおりボディタイプというよりはBEVに強く惹かれているため、8割近いスコアを得ている。

購入時の価格、BEV補助金の影響は?

次は気になる購入価格だ。オプションや値引き、下取りなどを加味して、購入した人々が実際のところいくら支払ったのかを見る「価格データ」である。

「値引き前車両本体+オプション価格」を確認すると、アリアは平均691万円と700万円に迫る。

日産の、そして他の国産メーカー各社のラインナップを鑑みると、アリアは高級車に分類される価格帯に属する。ミドルサイズのエクストレイルは約500万円、コンパクトサイズのキックスは約350万円が平均だった。

ここから値引き額と下取り額を引いた「最終支払い額」を見てみると、アリア:598万円、エクストレイル:422万円、キックス:301万円だ。キックスでは300万円、エクストレイルでは400万円、アリアでは600万円が、購入者のおおまかな予算といえるだろう。

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