アカウントさえ作っておけば、あとは渡航時にプランを買ったり、eSIMプロファイルをインストールするだけ。デュアルSIM端末の場合、電話は普段のSIMカードで着信しつつ、データ通信だけを海外用eSIMにすることができて便利だ。
eSIMの仕様や対応周波数には注意も必要
ただし、これらのサービスは基本的にeSIMで提供されているため、国内キャリアをeSIMにしてしまっていると、どちか一方しか利用できないことがある。最近はLINEやSNSなどで連絡を取ることが多いが、国内キャリアのSIMをオフにしていると、重要な電話やSMSでの連絡を逃してしまうおそれがある。eSIMは海外用eSIMのためにとっておき、普段使っているキャリアは物理SIMで利用したほうがいい。
また、Androidでも徐々に「デュアルeSIM」に対応したスマホが増えている。グーグルの「Pixel 7」以降の端末や、サムスンの「Galaxy S24」以降の端末がこれに該当する。デュアルeSIMの場合、物理SIMとeSIMの組み合わせだけでなく、eSIMとeSIMを組み合わせることも可能。
そのため、国内キャリアをeSIMで使っていたとしても、海外用eSIMを併用できて便利だ。Androidでは対応機種がまだまだ少ないが、海外渡航が多い人はこうした機種を選ぶといいだろう。
Androidの場合、海外で利用する際にはどのような端末を選ぶかも重要になる。上記のように、eSIMの仕様に違いがあるほか、通信をするための基本ともいえる対応周波数も、機種ごとに差がある。
特に日本のキャリアが販売する端末の場合、日本での利用に最適化されているため、海外の周波数対応が中途半端なケースも存在する。
一例を挙げると、ドコモの「Xperia 10 V」は、海外用の周波数が「バンド1/3/5/12/39」と少なめだ。これに対しアメリカのT-Mobileは4Gの周波数が「バンド2/4/5/12/66/71」で、一部しか合致していない。対応周波数が多い端末と比べて使えるエリアが限定されたり、つながったとしても、速度が十分でないこともある。
一方で、海外でも販売されている「Galaxy S24」の場合、海外用周波数が「バンド1/2/3/4/5/7/8/12/13/28/38/39/40/41/66」と豊富で、より使える地域やキャリアが広がる。グローバルで販売するPixelシリーズも、同様で対応バンドが多い。一概には言えないが、海外で同じ端末を展開している海外メーカーのほうが対応している周波数が多彩になる傾向はある。
iPhoneと比べ、端末がバラエティ豊かなAndroidだが、それゆえに機種ごとのスペックの差も大きい。特に海外での利用は二の次になりがちなだけに、仕様を十分確認しない人も少なくないはずだ。海外での利用頻度が高い人は、端末選びの際にこうした視点を持ってみるのもいいだろう。
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