「5G銘柄」としても注目を集めたJTOWERが、今年に入って上場来安値を更新している。5Gのこれまでと今後をどう見るか、田中社長を直撃した。
想定よりも進まなかった5G投資
――5Gの現状をどう評価していますか。
業界として、5Gの整備は思ったより進んでこなかった。理由は明確だ。通信料金の大きな値下げがあり、キャリア各社で大きくARPU(1ユーザー当たりの平均売上)が下がり、設備投資も含めたコストを抑制しなければいけない状況になった。
キャリアの設備投資に対する姿勢が値下げ前と変わり、投資に慎重な数年間だったと思う。(キャリアの)収入が上がり、それをネットワークに投資する好循環が崩れてしまった感がある。少なくともサブ6はもう少し早い段階で整備されると思っていたし、法人を含めてみんな期待していた。
――確かに、政府が主導した料金値下げは5G開始直後の時期に重なりました。
もちろん、「5Gならでは」のコンテンツがあれば普及するだろうが、個人的には、料金値下げの影響は大きかったと思う。
キャリア目線でいくと、(ここにきて)各社のARPUが下げ止まって上昇基調にある。(5G本来の力を発揮する)サブ6やミリ波といった帯域が使われることで、各社のARPUが徐々に上がる傾向が顕著になれば、投資意欲も湧いてくるのでは、と期待している。
――5月の決算発表時に、ミリ波向けの共用無線機の開発中止を発表されました。ミリ波はサブ6よりもさらに高い帯域の周波数で、キャリアは局所的な利用にとどめています。
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