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「5G銘柄」のJTOWER、社長がみる5Gの誤算と未来 通信料金値下げでキャリアの投資姿勢が一変

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「5G銘柄」としても注目を集めたJTOWERが、今年に入って上場来安値を更新している。5Gのこれまでと今後をどう見るか、田中社長を直撃した。

5G商用化直前の2019年12月に上場を果たしたJTOWER。「5G銘柄」としても投資家の注目を集めてきた(撮影:ヒダキトモコ)

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5Gが商用化される目前の2019年12月に上場したJTOWER。携帯キャリア各社が従来、自前で整備・保有してきた通信設備を共用化する事業を展開する。
5G専用電波であるサブ6やミリ波は4Gよりも速度が速い分、伝達範囲が狭く、従来よりもはるかに多くの基地局や設備投資が必要になると見込まれていた。投資効率化を図る観点から、キャリアがインフラシェアを推進するとの期待が高まり、JTOWERの株価は上場時2620円だったのが、2021年には一時1万3000円を突破した。
ところが足元の株価は1000円台後半と、今年に入って上場来安値を更新している。背景の1つに考えられるのが、5月に発表された今2025年3月期の業績予想。大量の鉄塔取得に伴い、固定資産税が大幅に増加するため、営業利益は前期比で半減する見通しだ。
今後はキャリアによる鉄塔の共用が実際に進むかが課題になる。同社の田中敦史社長に、キャリアの設備投資を左右する5Gのこれまでの評価と今後の見通しを聞いた。(インタビューは7月4日に実施)

想定よりも進まなかった5G投資

――5Gの現状をどう評価していますか。

業界として、5Gの整備は思ったより進んでこなかった。理由は明確だ。通信料金の大きな値下げがあり、キャリア各社で大きくARPU(1ユーザー当たりの平均売上)が下がり、設備投資も含めたコストを抑制しなければいけない状況になった。

キャリアの設備投資に対する姿勢が値下げ前と変わり、投資に慎重な数年間だったと思う。(キャリアの)収入が上がり、それをネットワークに投資する好循環が崩れてしまった感がある。少なくともサブ6はもう少し早い段階で整備されると思っていたし、法人を含めてみんな期待していた。

――確かに、政府が主導した料金値下げは5G開始直後の時期に重なりました。

もちろん、「5Gならでは」のコンテンツがあれば普及するだろうが、個人的には、料金値下げの影響は大きかったと思う。

キャリア目線でいくと、(ここにきて)各社のARPUが下げ止まって上昇基調にある。(5G本来の力を発揮する)サブ6やミリ波といった帯域が使われることで、各社のARPUが徐々に上がる傾向が顕著になれば、投資意欲も湧いてくるのでは、と期待している。

――5月の決算発表時に、ミリ波向けの共用無線機の開発中止を発表されました。ミリ波はサブ6よりもさらに高い帯域の周波数で、キャリアは局所的な利用にとどめています。

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