80年代女子プロ描く「極悪女王」に思わず流れる涙 人間ドラマとゆりやん達の演技に引き込まれる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

本作には、多くのプロレスシーンがある。5年を費やした制作準備期間のなかで、女優陣はプロレス道場に入門し、体作りと技の練習に明け暮れた。その結果、プロレスシーンの99.9%が吹き替えなし。それぞれが演じた当時のレスラーたちへの感情移入もあり、熱い思いがこもった撮影になった。

身も心もこの作品に投じた唐田えりかは、撮影を振り返り「私にとって本作はこれからの人生を考えたうえでの挑戦であり、覚悟のひとつでした。もし、この作品に出合えていなかったら、自分はどうなっていただろう……。自分はまだまだがんばれる、がんばらなきゃいけないと思わせてくれた現場でした」と配信記念イベントで涙を流した。

ゆりやん「自分のボーダーを超えられた」

ダンプ松本を体型から体現したゆりやんレトリィバァは「これまでの殻を破って、自分の感情と向き合えたことに感謝するばかり。いままでは、自分のなかのボーダーラインを超えて感情を表に出すことができませんでした。この作品に出合って、自分がボーダーを超えられることも、その超え方も、引き出してもらいました」と熱く語っている。

極悪女王 鈴木おさむ
©Netflixシリーズ「極悪女王」

一方、総監督を務めた白石和彌氏は「これまでにいろいろな作品を作ってきましたが、死ぬ前に見る作品は『極悪女王』だと思います」とまで語るほど思い入れの強い作品であることを明かした。

そんな熱量が存分ににじみ出る、エネルギーにあふれた作品なのだ。

レスラー役の女優たちの熱演が光る本作だが、そんななかでひと際、存在感を放っているのが、プロレス団体運営者のひとりを演じた斎藤工だ。

80年代の興行者のうさんくささを見事に体現し、いまの時代から見た滑稽さを巧みに演出している。とくに前半とは印象が変わる後半の怪演ぶりは、思わず笑ってしまうほどのインパクトがある。本作のキーマンでもあるだろう。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事