ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル --IMFよ、世界を救え!《宿輪純一のシネマ経済学》


 この作品を見ていて気になるのは--特に金融関係の仕事をしている方には気になると思うのだが、この所属組織“IMF”という名前ではないか。筆者も最初はワシントンにあるIMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)を思い浮かべた。仕事で何回か訪問したが、このようなスパイと会った経験はない。

しかし、本物のIMFは「ミッション・インポッシブル・フォース」と同じように、“国際金融”分野の国際問題解決に対応してきた。いわば国際金融危機の最後の砦である。ごく最近でも、欧州債務危機の対応策で、まさにIMFが関与しつつある。

昔からよく見てきたが、変わってきたなと思うのは、IMFが介入していた対象国である。今まではもっぱら発展途上国(新興国)だったが、最近では先進国がその対象となっていることである。明らかに世界経済の構造が変わりつつある。

現在、欧州債務危機をはじめとして、世界経済が停滞ぎみである。『ミッション:インポッシブル』のIMFも、国際機関のIMFもフル活動して、世界を助けてほしい。

いずれにせよ、この超一流のアクション映画は、不景気な気分を吹っ飛ばすのは間違いない! ほら、あのテーマソングを聞くだけでワクワクするでしょう!

12月16日より公開。



©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(4年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。

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