ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル --IMFよ、世界を救え!《宿輪純一のシネマ経済学》
さてストーリーは、今回も、アメリカ政府の極秘スパイ組織“IMF”(Impossible Mission Force:不可能作戦実行班)所属のトム・クルーズ扮するイーサン・ハントが仲間たちと決死の大活躍をする(ただし、大きいケガはしない)。
ハンガリー・ブダペストの刑務所での暴動から始まり、軽やかに脱獄を手引きする。次の任務はロシア核兵器発射コードに関する任務でモスクワ・クレムリンに潜入するが、例によって“罠”にはまって、爆破テロの巻き添えになり、イーサンには濡れ衣でテロ実行犯となる。
アメリカ大統領は国家間の問題に発展することを恐れ、トカゲのしっぽ切りのように、IMFをアメリカ政府から切り離す「ゴースト・プロトコル(見えない手続き)」を発令する、とおなじみの展開。
今回の敵は、最終戦争を引き起こし世界滅亡を狙う過激終末論者だ。彼らが目指すのは破壊のみで、決死の覚悟を持つ手に負えない組織である。
本作の特徴はもともとのテレビドラマのようにチームとしての活躍が多いという点だ。『ハートロッカー』でアカデミー主演男優にノミネートされた、分析官役のジェレミー・レナーがいい味を出している。イーサン・ハントの単独プレーの時間が長かった前作までとは違った雰囲気が出ている。
もちろん、正統派ハリウッドアクション映画なので、強烈なアクションシーンの連続で、火薬もガンガン! アニメーション作家出身のブラッド・バード監督は、これが初の実写映画であり、画面がアニメのようで見やすい。
また、今回も、ブダペスト、モスクワ、ドバイ、ムンバイ……と異国を飛び回り、海外観光地巡りも満喫できる。