自宅で食べるお茶漬けって、余ったご飯に冷蔵庫にある漬物なり梅干しなり、鮭フレークなりを乗せて(もしくはお茶漬けの素をかけて)、お茶をかけて食べるという、「料理と言うのもおこがましいのでは?」というぐらいのお手軽な存在。
だけど、「だし茶漬け えん」は、極上のだしで食べることで、軽食でありながらごちそう感があります。
お馴染みのお茶漬けというスタイルであり、注文したらあっという間に出てくるけれど、家庭ではとてもじゃないけど真似できない深みのあるだしは、わざわざ訪れて食べたくなる味です。
朝は男性に人気・夜は女性が多め?
筆者が今回訪問した店舗は、山手線の駅直結の地下街にあります。細長い空間の左右にカウンターが1列ずつ配置された15席ほどの小さなお店ながら、朝から5人ほどの利用者がいました。
椅子は背もたれなしの丸椅子で、それぞれが2席から3席とばしで座り、黙々と食べています。新しい客がやってきて、1人が券売機前に立つと、誰かが席を立つというループが繰り返され、回転率はかなり高め。
私が店に滞在した間に、お茶漬けを食べていたのは全員が男性でした。女性もやってくるのですが、「お茶漬けを食べるのかな?」と思ったら、揃いも揃ってテイクアウトのおにぎりを買って去っていきます。
以前から「だし茶漬け えん」を、朝食も夕食にもちょこちょこ利用しているのですが、朝はいつも男性客が多めで、夜は女性客が多めです。これって大変興味深い。
飲食店の客層って固定されていることが多いんです。「松屋」はいつ行っても男性客が多いし、「Soup Stock Tokyo」はいつ行っても女性客が多い。「だし茶漬け えん」のように、時間帯によって男女比が変わるって意外と少ないんです。
そういえばお茶漬けって、「朝からごはんをしっかり食べて、1日がんばるぞ!」という男性にもぴったりですし、「夕飯は外食にしたいけど、ハンバーグやラーメンは重いから、サラッと食べられるものを」という女性にもぴったりです。
平日の朝9時前。カウンターの窓ガラス越しに、ひっきりなしに行き交う人々を眺めながら、お茶漬けをすすりつつ、さまざまに思いをめぐらす朝です。
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