さらに大事なのは、「その服をどういうときにどんなふうに着るのか」を明確にすることです。そうすることで最適な洗い方が見つかり、よりよく着ることにつながっていきます。
確かに、洗濯で汚れを落とすことは大事なポイントです。でも、一番の目的は「汚れを落とすこと」ではなく、「その服を心地よい状態でもう一度着ること」ではないでしょうか。つまり、汚れを落とすことはあくまで手段の1つにすぎないのです。
ですから、洗い方を考えるときには、まず「その服をどういうときに着るのか」を判断の基準にすることが大事です。着るシーンや目的によって、求められる洗い方は変わるということです。
どんなときに、どんなふうに着るか
たとえば、プライベートで着るTシャツや部屋着として着るTシャツであれば、清潔さが保たれていれば、シワやヨレなどは極端に気にする必要はないはずです。一方、白さや色合い、形を保ちたいとか、できるだけ長くいい状態で着たい場合は、厳密な洗い方が求められます。
近年ではオフィスワークでもカジュアル化が進み、ビジネス現場で着る「ビジTシャツ」なるものも珍しくなくなっています。こういった服も白さや色合い、シワ、ヨレなどに注意すべきでしょう。
そして、「元の状態を維持して着たいもの」「ビジネスなど公の場で着るもの」は、Tシャツであってもクリーニングに出したほうがいいのです。実は、洗い方の判断で間違えられやすいことの1つが、この部分です。なぜかというと、それは「洗えるかどうか」で判断するからです。
「洗えるかどうか?」でいえば、ほとんどのTシャツは家の洗濯機で洗えます。でも、衛生を保つことが目的ではなくて、元の状態を保ち、キレイに着ることが目的であれば、クリーニングが必要なのです。
皆さん、さまざまな工夫をされて洗濯をしているはずです。でも、うまくいかない。それは洗い方が悪いのではなく、求めているのはクリーニング品質なのに、それを洗濯で対応しようとするから、どうしても無理が出てしまうのです。
工夫すればどうにかなるはずと思う人もいるでしょうが、洗い方を工夫しても無理なものは無理なのです。家庭の洗濯で対応できないことをどうにかしようとすれば無理が出て、結果的に悩まなくていい悩みを抱え、かけなくていい時間と労力をかけてしまうのです。
以前、Tシャツの汚れが落ちなくて悩んでいる方から、洗濯の相談を受けたことがあります。よくよく話を聞くと、それは家庭で洗濯するのではなく、クリーニングに出すべきものでした。
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