「70歳を過ぎてもデート楽しい」中尾ミエの恋愛観 若い頃は、もっと「よれよれ」だと思っていた
そのことを考えると、最初の結婚は子育てという共同作業のためだとして、子どもも自立し、夫も定年を迎えるくらいになったら、すっぱり終わりにする。年を取ったあとは、一緒に旅行に行って楽しいとか、フレンチに行って楽しいと思えるような、話の合う人にパートナーを変えるなんていうことがあってもいいとも思うんですよね。
中尾 だから私は結婚という形態はとらないんですよね。実際には生活自体は何も変わりはないけれども、結婚しないというだけで、お互いに自由でいられる。
和田 いまだに日本では先進的なように見えて、中高年以降で恋愛をすると「年甲斐もなく」とか「色が抜けない」とか言われたりするのは、良くないなと思いますね。子どもの頃、母親の従姉妹が2回離婚して、またパートナーを見つけてきた。そうしたら、うちの母親も「あの人は幾つになっても色狂いや」と非難していた。
思い起こしてみると、その母の従姉妹はまだ40を過ぎたくらいですよ。昔は40を過ぎて恋愛すると非難されるんだから、すごい時代ですよね。今から50年以上前の話です。
とはいえ、その頃はすでに大阪万博が開催されて、日本も先進国の仲間入りを果たしたような時代ですよ。それなのに40過ぎで恋愛したら親戚じゅうでボロクソに言われるなんて、やはりひどいと思う。
70歳を過ぎたら「よれよれ」だと思っていた
中尾 私も若い頃には、70歳を過ぎたら自分も友人もみんなよれよれになっていて、遊んでも楽しくないんじゃないかと思っていましたけれども、いざなってみたら、けっこう楽しいですよね。
和田 そういうふうにありたいと思うことが本当に大事ですよ。私も中尾さんのように70歳を過ぎても、「和田さんといると面白いね」「楽しいね」「気持ちが沸き立つね」なんて言われるような人間でありたいと思う。
中尾 デートをしていても楽しい。「デートしましょう」というお誘いもいただいたりすることもありますよ。昔なら、「同年代の人はちょっと……若い男の子ならいいけど」なんて思ったりもしたけれども、けっこう、同年代でも楽しい人がたくさんいて、うれしいなと思いますよね。