発売2年「現行クラウン」は誰が買っているか? クロスオーバー/スポーツ/セダンを先代と比較

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「伝統的」のスコアが、15代目から16代目へモデルチェンジしたことを経て減少している一方で、「個性的」が大きく伸びているのも、特徴だ。

「個性的」に加えて「都会的」「先進的」において、スポーツのスコアの高さが目立つ。また「運転を楽しめる」では、スポーティな仕上がりの「RS」も多くの人に想起されていることがわかる。

15代目では、顧客ターゲットの若返りを図った。しかし、それがなかなかうまくいかなかったことは、「15代目クラウン『若返り』の狙いは達成できたのか」で以前示したとおりである。

スポーツ、16代目セダンでは、15代目よりも「若々しい」のスコアが伸びているから、現行型にしてようやく若返りが成功するかもしれない。とはいえ、16代目シリーズの第1弾であるクロスオーバーは、スコアが低く15代目と同じである。

セダンとSUVの中間的なスタイリングのクラウンクロスオーバー(写真:トヨタ自動車)
セダンとSUVの中間的なスタイリングのクラウン クロスオーバー(写真:トヨタ自動車)

歴代オーナーの代替えと新規開拓の両立はできた

今回は、16代目クラウンシリーズ(クロスオーバー、スポーツ、セダン)それぞれの特徴を、先代の15代目クラウンと比較することで見てきた。ひと口にクラウンと言っても、複数のボディタイプを展開する16代目は、これまでのイメージを刷新する意味を持っており、実際に特徴として表れていることがわかった。

クラウンセダンのみ、MIRAIのプラットフォームを応用したFRで、FCEV(燃料電池車)も用意(写真:トヨタ自動車)
クラウン セダンのみ、MIRAIのプラットフォームを応用したFRで、FCEV(燃料電池車)も用意(写真:トヨタ自動車)

ボディタイプが増えることで選択肢が広がり、今までクラウンに興味がなかった層を取り込めるようになるかもしれない。

実際、どのクルマから乗り換えたかを確認すると、クロスオーバーのクラウンからの乗り換え率は4割。それに対して、その後に登場したスポーツは1割程度にとどまっており、約3割の人がハリアーから乗り換えているのだ。

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こうした事実を簡単にまとめると、待望の新型クラウンとして最初に登場したクロスオーバーに、歴代クラウンオーナーの代替需要が集中し、継続購入をスムーズに獲得。そして、その後に登場したスポーツでは、これまでクラウンに乗ったことがない人々の関心を寄せることに成功した、と言える。

「もうクラウンの名前を冠さずともいいのではないか」と思われるのか、「セダンタイプでなくてもクラウンらしさがある」となっていくのか。選択肢を広げたクラウンであるが、クラウンとしてどういった価値やイメージを届けたいのかは、今後も引き続き重要な点となるであろう。

【写真】もう一度、クラウンシリーズ購入者の分析データを見る
三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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