レッドソックス上原が絶対に譲れないこと 骨折しても"雑草魂"は健在だった
本来の常識でいえば、利き腕をだすべきではなかった。だが、上原は「悔いはない」と言い切る。それは自らを〝雑草〟と称しながら生き残ってきた男の本能だった。
「逃げてヒットにされるのは嫌い。もしあれがヒットになっていれば逆転される可能性もあったから」
上原が右手首を負傷する前、本人と交わした会話を思い出していた。
――「2009年に大リーグにいくときに『メジャーで5年できれば』と話していたから、正直、こんなに長くプレーするとは思わなかった」
「そうですね。2016年まで契約がありますから、8年目まではプレーができます」
――「いつまでメジャーでプレーするつもりなの?」
「ここまできたら、いけるところまで投げようと思っているんです」
長く活躍するには「ぶれない」こと
日本から海を渡ったのは33歳、今年4月で40歳になった。サラリーマンの世界では組織の中枢を担う立場だが、アスリートにとってはとっくに峠を過ぎている。
上原本人にどうして活躍できるのか、その秘訣を聞いてみた。
「ぶれないことでしょうね」
日本にいるとテレビ、新聞からも伝わってこないが、上原がブルペンから小走りで登場する際に起こる「浩治コール」の盛り上がりは強烈だった。
地元ファンに愛されているのは、メジャーを代表するクローザーとして認知されている証明でもあった。
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