次世代エコカーが競演する東京モーターショー 反攻する日系メーカー

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トヨタが出展するコンセプトEV「ファン ヴィー」は「走るスマートフォン」。ボディにパネルディスプレーを採用し、車の色や模様を自由に変えられる。位置情報と連携した自社のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「トヨタフレンド」から、さまざまな情報を収集できることも特徴だ。

「自動車メーカーが車造りだけに集中する時代は終わった」(カルロス・ゴーン日産社長)。車が情報通信と連動すれば、より顧客に合った新しいサービスが可能になる。さらにEVやPHVは、家庭での最適なエネルギー利用を追求するスマートハウスとも連動する。トヨタではこうした「つながるサービス」を、プリウスPHVから本格的に始める計画だ。

円高が続く中で、各メーカーは国内販売強化を鮮明にし始めている。国内で生産したものを国内で売れば、輸出が減り、為替の影響を軽減できるからだ。

今回は車離れが進む若者層へのアピールも狙い、トヨタと富士重工業が共同開発した小型FR(後輪駆動)車「86」(富士重名「BRZ」)など、スポーツカーの出展も多い。「天災もあったし、何とか国内市場を活性化したい。まだ国内を諦めるわけにはいかない」(ホンダ幹部)。

かつて東京は米デトロイト、独フランクフルトなどと並び、世界5大モーターショーと称された。近年は地盤沈下も指摘されているが、日系メーカーが技術的にトップランナーであることは間違いない。今後は技術競争に終わらせず、消費者ニーズを掘り起こしての、エコカーを超えた魅力ある車造りが必要だ。

(並木厚憲 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年12月10日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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