ブラジル景気後退入り、30年ぶりの大幅減速 インフレ率が10年ぶりの高水準に
[サンパウロ 28日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が28日発表した第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比1.9%減となり、景気後退(リセッション)に突入した。約30年ぶりの大幅な減速となる。
ロイターのまとめたアナリスト予想の1.7%減を超える落ち込みとなった。前年同期比では2.6%減。
資源・コモディティ(商品)に勢いを得ていたブラジル経済は、ルセフ大統領が就任した2011年以降に失速。同大統領が打ち出した景気浮揚策は成長を押し上げることなく、公民債務だけが拡大していった。
ブラジル中銀がインフレ抑制に取り組むなか、ルセフ大統領は今年に入り、政府支出や補助金などの削減に舵を切ったが、過去最低水準をつけている企業業況感や消費者信頼感の引き上げにはつながっていない。
第2四半期の投資は8.1%減と、8四半期連続で減少。
家計消費は2.1%減と、2001年以来の大幅な落ち込み。失業の増加や信用状況のタイト化、インフレ率が10年ぶりの高水準に達していることなどが背景にある。
スルアメリカ・インベストメントスの首席エコノミスト、ニュートン・ロサ氏は「消費の落ち込みは、経済が直面している信認の危機を浮き彫りにした」と指摘。「深刻かつ長期にわたるリセッションとなるだろう。少なくとも来年中盤ごろまで、回復は望めない」と述べた。
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