韓国の若者に「日本の昭和アイドル」人気のワケ 音楽バラエティー番組「韓日歌王戦」が高視聴率

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「86年にリリースされた明菜さんのアルバム収録曲『OH NO,OH YES!』は、もともとメンバーのジョングクさんのお気に入りで、Vさんはジョングクさんから教えられて自身も気に入ったようです。

そもそもは、『BTS』の生みの親である音楽プロデューサーで『HYBE』の創業者であるパン・シヒョクさんが明菜さんの大ファンであることから、その影響もあるのではないでしょうか」

これ以外にも、韓国では以前から若い世代の間で邦楽への関心が高まっているが、その背景には政治的な事情も関係しているという。日本の芸能事務所のスタッフはこう明かす。

「韓国では90年代から日本のドラマやアニメ、音楽、小説などに関心が高くなり始めました。

他方、過去の歴史問題もあり、韓国では日本のテレビ番組を放送することを禁止するなど、日本のカルチャーの流入が制限されてきました。

しかし1998年から2004年にかけて4度にわたる文化開放措置によって徐々に規制が緩和され、近年はほぼ開放されている状況です。

実際、昨年3月に行われた日韓首脳会談の2次会ではユン・ソンニョル大統領が、韓国でも人気で自身も大ファンというドラマ『孤独のグルメ』の話題を口にしていました」

YouTube動画は600万回再生

そうした中、最近では今年4月から韓国MBNテレビで放送された、日本と韓国の歌手がチーム対抗で両国のヒット曲を歌って競い合う音楽バラエティー番組「韓日歌王戦」が高視聴率を記録するなど盛り上がりをみせている。

「番組内で日本側の歌手(歌心りえや住田愛子ら)は、美空ひばりさんの『川の流れのように』やさだまさしさんの『道化師のソネット』、近藤真彦さんの『ギンギラギンにさりげなく』、五輪真弓さんの『恋人よ』、チェッカーズの『ジュリアに傷心』、尾崎豊さんの『I LOVE YOU』、中島美嘉さんの『雪の華』などを披露しました。

この番組をキッカケに日本の80年代~00年代の邦楽に関心を持つ韓国の若者も多いようです」(前出のライター)

また、「韓日歌王戦」は「日韓歌王戦」として日本でもWOWOWやABEMAで視聴することが可能だ。

それもあり、「MBN MUSIC」の公式YouTubeチャンネルにアップされている『雪の華』(歌心りえが歌唱)や『ギンギラギンにさりげなく』(住田愛子が歌唱)の動画は600万回近い再生回数を記録している。

日本では韓国のポップミュージックが流行し、韓国では日本のアイドル歌謡がブームになる――音楽が日韓の文化交流の架け橋となっている象徴だろう。

(立花茂)

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