「"嫌われた"24時間テレビ」結局成功した深いワケ 激しく叩かれた割に視聴率も募金額も好調だった

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視聴率は平均世帯視聴率が12.5%、個人視聴率は7.5%となっている(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。瞬間最高視聴率(世帯)はやす子さんのマラソンのゴールの瞬間で25.4%、やす子さんのマラソン募金の総額は4億3801万4800円だった。

視聴率に関しては、昨年(2023年)が歴代ワーストで、平均世帯視聴率11.3%、個人視聴率6.6%となっており、1%前後上昇している。今年は台風接近で在宅率が高かった影響も無視できないため、単純な比較はできないが、ワースト記録更新を免れたことは紛れもない事実だ。

注目すべきは募金額だ。一般募金も含む、募金の総額は10月になるまでわからないが、昨年の募金総額8億4805万9341円の半分以上の金額を、やす子さんの「マラソン児童養護施設募金」で集めたことになる。

なお、放送終了時の募金額は、2023年が2億2223万8290円、2022年が3億1819万4209円で、過去3年で見ても十分に大きい。

なぜ批判されながらも、ここまでの寄付金を集めることができたのだろうか? そしてこれを今後の運営に生かすにはどうしたらよいのだろうか。少し考えてみたいと思う。

24時間マラソン
やす子さんがゴールするシーンが瞬間最高視聴率を獲得した(画像:本人の公式Xより)

最適だったやす子さんの起用

チャリティーマラソンは、「24時間テレビ」の看板企画となっているが、批判も大きい。

元々、本企画は1992年にマラソンが得意だったお笑いタレント間寛平さんの企画として始まったものだ。寛平さん自身も初回以外に1993年、1995年と3度、本番組のチャリティーマラソンに挑戦している。

なお、1995年は阪神・淡路大震災が起きており、寛平さん自身も自宅を失った。「被災者に勇気を与えたい」ということで、寛平さんは1週間かけて600kmを走るという過酷なチャレンジを行い、見事に完走した。

これが大きな反響を呼び、その後の本番組の定番企画となったのだが、マラソンが得意ではない有名人も走ることや、チャリティーとの関係性が疑問視されるようになった。

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