「"嫌われた"24時間テレビ」結局成功した深いワケ 激しく叩かれた割に視聴率も募金額も好調だった

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あらゆる逆風の中、やす子さんをランナーに起用して、児童養護施設への寄付という企画で乗り切ったことは評価に値することだ。

「24時間テレビ」は、視聴率も募金額も近年低迷している。地上波放送全体の視聴率も落ちている状況なので、本番組だけの問題とは言えない部分もある。

一方で、依然として一定の視聴率と多額の募金額を獲得し続けているのもまた事実だ。

筆者が出張や旅行で地方に出かけた時、「24時間テレビ」の募金箱を目にすることが何度かあった。特に、イオンでは店内アナウンスで募金を呼びかけるなど、積極的な募金活動を行っていた。

ここで募金する人は、SNSやネット記事のコメント欄に批判的な意見を書き込む人とは異なった層の人に違いない――と思わざるを得なかった。

24時間マラソン
番組開始前には多くの批判が集まったチャリティーマラソンだったが……感動を与えたことも事実だ(画像:本人の公式Xより)

今回の経験をどう今後に活かすか?

本番組のあり方については、SNSやネットメディアだけでなく、有識者、マスメディアからも厳しい意見が見られている。

しかしSNS上の話題やメディアの報道が世の中一般の声を反映しているとは限らないし、的外れであったり、解決策の提示になっていなかったりする批判も少なからず見られる。

筆者自身は、「24時間テレビ」は続けたほうがよいと考えているが、絶えざる改善も必要であるとも考えている。そのためには、正当な批判、建設的な意見には耳を傾けることも重要だ。

今回のチャリティーマラソンから得られた知見は、

・寄付金の目的と用途
・起用タレント
・企画内容

の3者の親和性を担保することが重要であるということだ。

数多くの批判を受けながら、視聴率も確保しつつ、多額の募金も集めるというのは至難の業であるとは思うが、「24時間テレビ」が今後も生き残っていく可能性は十分にあるようにも思える。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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