三菱「アウトランダー」は別物に進化を遂げた

大幅改良で何が変わったのか

さらには、EVならではのスムーズでなめらかで静かな走りをより際立たせるべく、多岐にわたり改良を加えた。ひとつにはPHEV制御を見直し、中間域でのレスポンスを向上することで、アクセルを軽く踏んだ際に出足のよさを感じられる特性とした。加えて、エンジン自体のフリクション(摩擦)低減とともに、エンジンをいつかけて、いつ止めるか、どのくらい発電させるか、などの制御も見直した。

性能・燃費・静粛性の両立

エンジンは2000~2500rpmぐらいで回すのが最も発電機としての役割の効率がよくなることはもともとわかっていたのだが、従来はあまり回すと騒々しくなるので、回転上昇を抑えていた。

ところが、新型では改良により静粛性が向上したおかげで、ノイズ自体のレベルが下がっているので、思ったとおり回しても問題なく、つまりエンジンの効率が最もよい2000~2500rpmを積極的に使えるようになった。

そのぶんアクセルを強めに踏んだときにエンジンのかかる頻度は上がっているのだが、乗員にとって音が気になることもない。

これにより性能と燃費と静粛性を両立させたわけだ。JC08モードハイブリッド燃費が、従来の18.6km/Lから20.0~20.2km/Lと約8%も向上したことには、この考え方が相当に貢献している。

シャシーについても、後述するガソリン車ではリアのみのところ、PHEVはフロントのショックアブソーバーもサイズアップしている。これにより乗り心地の質感が一段高まっている。さらに、フロントのサスペンションクロスメンバーを新作した。言葉にすると読み流してしまいそうだが、一般的にモデルライフの途中でこの類の部品を新作するのは異例といえる。

ガソリン車と比べると、むろん車両重量は大きくなるが、重心高が低く、前後重量配分も均等に近づく。さらに、ツインモーター4WDによる新感覚のハンドリングがある。

一般的には4WDというのは、前後がプロペラシャフトでつながっており、少なからず干渉する。ところがツインモーター4WDでは、前と後ろが独立しているので、それぞれに理想的な仕事をさせることができる。今回の改良で、前後の駆動力の制御がより緻密にできるようになったことで、その強みもよりレベルアップしている。

一方、ガソリンエンジン車の走りはどうか。これまで日本市場でのアウトランダーの販売比率は圧倒的にPHEVが高く、今後もそうなることに違いないものの、世界的にはガソリンやディーゼルのほうがずっと多い。

次ページエンジン制御の見直しで加速の仕方が大きく変わった
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