フェラーリ、「秘密の工場」に行ってみた!

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扉を開けて敷地内に足を踏み入れると、わずか7000台ほどの生産台数のために作られたとは思えないほどの最新設備を備える工場であった。1997年にレンゾ・ピアノ氏設計による製品開発センターと空力テスト用の風洞を新設して以降、工場の施設が刷新されてきた。コジェネレーション・システムを活用した環境工場に生まれ変わると同時に、吊り下げ式の自動化生産ラインなどの最新の生産システムを投入している。「フォーミュラ・ウオモ」なる職場環境の向上プログラムをはじめ、「イタリアでもっとも働きやすい工場」に選ばれてもいる。

エンジン工場の様子

まずは、フェラーリの心臓部であるエンジンを作る工場から見学をスタート。贅沢なことに、シリンダーブロックやコンロッドといった部品一つひとつが、マラネッロ工場の中で丁寧に作られている。V8やV12といった多気筒ユニットならではの繊細なハーモナイズは、部品の段階から繊細な作業を重ねることで生まれるという。

工場での作業の様子(写真:フェラーリ提供)

これらの部品が次に送られるのは、エンジンの組立工場だ。経験豊かな人材によってエンジンに組み上げられていくのだが、ここで驚きの事実を知った。フェラーリでは伝統的にV12エンジンを最高峰としており、V12エンジン以外を搭載した最初のモデルとなった「ディーノ」は、フェラーリではなく、別ブランドの「ディーノ」として、跳ね馬のバッジをつけずに市販されたという逸話がある。

今では、V8モデルも立派にフェラーリの屋台骨を支える機種なのだが、未だにファンの間では「V12がスゴい」という認識が浸透している。新車価格にしても、V8エンジンを積んだ「488 GTB」は3070万円だが、V12エンジンを積む「F12」は3730万円と、ポルシェ・マカンを買えるほどの差がある。エンジン工場を見ると、作り方の違いは歴然だ。V8エンジンはチームによる流れ作業で汲み上げられていくのだが、V12エンジンは1基ごとに一人で最後まで組み上げていく方式を採る。

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